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第142号 「世界一やさしいやりたいことの見つけ方」から感じた自己理解とは真摯に向き合う勇気である

 

世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド 八木仁平著

 

を読みました。

 

私の好きな「中田敦彦のYouTube大学」でも動画で紹介されています。

 

私はこういう自己理解系の書籍には、もともと興味があり、過去にも自己探求ワークショップなども受講したことがあります。

 

いろんなスタイルで自己理解を学ぶと、「似たようなことを形を変えてやっているだけではないの?」と素朴な疑問が頭に浮かぶ人もいるかもしれません。

 

確かにそうした面もあることは否定しませんが、本の著者であれ、主催するセミナーの講師であれ、その人が味わった体験が異なると、結果的にアウトプウットも、そもそもの始まりも違うものです。

 

だから、やっぱり人が違えば、自己理解の目的もアプローチも異なるのです。

 

 

そうしたことが感じ取れる内容がありました。

 

 

・この本で見つけるのは、運命的なやりたいことではなく、自分が心から納得できる自分で作るやりたいことである。

 

・やりたいことは、自分の内側にしかないが、その実現手段は、自分の外側にいくつもある。

 

 

私はこの言葉にすごく共感しました。

 

やりたいことは、誰かが楽しそうにやっているのを見つけて、マネすることではないはずです。

 

人は、どうしても、成功した誰かに目が行き、それに影響を受けてしまいがちです。

 

目的を外に求めてはいけない。

 

目的は自分の中にあり、それを実現するための手段を外に求めるべきである。

 

 

私の好きな自己探求について語った格言があります。

 

 

探求の旅

 

探求に終わりはない。

 

全ての探求の最後は初めに居た場所に戻ることであり、その場所を初めて知ることである。

 

T・S・エリオット(英国の詩人)

 

 

外に何があるか知った上で、最後は自分に問うしかないのです。

 

 

 

また、成功しやすい、また成功しにくい人の特徴を次のよう述べられます。

 

 

・成果の出せる人は、自分の中にあるエネルギーの使い方を知っている。

 

・うまくいく人は、エネルギーを一つの方向に集中させることができる。

 

・メリット重視で考えると、迷う。

 

 

今はやりの言葉で言えば、「全集中」でしょうか。

 

漫画つながりで恐縮ですが、ジョジョの奇妙な冒険Part2の波紋の使い方、「パワーを発揮するのは一点集中」といったところでしょうか。

 

とかく人はエネルギーを無駄に消費しがちです。

 

全ての生産活動が合理的、効率的である必要はないと思います。

 

しかし、自分の影響が及ばないところに、常に意識を向け続けることは、自分の人生にとって望ましいものではないと考えます。

 

 

そして、具体的なやりたいことに向けたアプローチは次の順番で見つけることが大切といわれます。

 

 

・本当にやりたいこと(目的地)を見つけるためのステップ

 

①大事なこと ②得意なこと ③好きなこと

 

・何よりもまず、自分の価値観(大事なこと)を探す。

 

・得意なこと(自分が得意な仕事のやり方、いろんな状況で使える長所)を探す。

 

・最後に好きなことを探す。

 

 

やりたいことを探すといった時に、ほとんどの人が最初に考えることは、自分が好きなことです。

 

好きなことを仕事に出来たら幸せ。

 

そう誰しも考えます。

 

しかし、このアプローチでは、本当にやりたいことに到達しにくい。

 

それは、周囲さらには社会に役立つような価値を提供できるかどうかという部分が欠落してしまうからです。

 

やりたいことに向けたこのアプローチは非常に理にかなっています。

 

 

さて、私が「最もその通りだな。」と思わず心でつぶやいた内容をご紹介します。

 

 

・あなたが今、やりたいことが分からずに迷走しているのなら、それは自分と向き合うことを先延ばしにしてきたからである。

 

・大事なことは、仮説を立て、行動し、振り返って、次に活かすこと。

 

・自己理解とは、失敗も後悔も、全て学びに変えることができる魔法の杖のようなものである。

 

 

世の中で、自分が人生をかけて、やりたいことはコレだと、胸を張って言える人は一体どれ程いるでしょうか。

 

この本で語られた自己理解の本質を一言で表すのなら、それは「勇気」であると思います。

 

人それぞれの人生には、望ましいこと、そうでないこと、いろんな出来事が起こります。

 

でも、そうしたことに一喜一憂せず、その事実に真摯に向き合うこと。

 

必要であれば、それを掘り下げ、次に活かすように仕向けることが大切である。

 

 

面白いことに著者は、こんな風にも言われます。

 

 

・自己理解は大切だが、この探求はさっさと終わらせて、行動してください。

 

・自己理解をやり続けても、いいことはない。

 

 

こう言われたときに、私の頭に思い浮かんだことは、“玉ねぎの皮むき“でした。

 

玉ねぎの皮をドンドンむいていくと、最後は何も残らなくなる。

 

なくなる前に、材料として使用しないと、皮むきの意味がなくなるというもの。

 

 

本当に大切なのは、やりたいことをきちんと見つけてからの行動なのです。

 

だから、楽しかったことも辛かったことにもきちんと向き合って、自分の原動力が何かを知って、一歩を踏み出してくださいと。

 

 

自己理解は真摯に自分に向き合う勇気を試されている、そのように感じた次第です。