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第139号 北野唯我さんの「これからの生き方」から学んだこと②

 

前号からの続きとなります。

 

実は、グロービス学び放題というビジネスを学ぶためのオンラインサービスを利用しているのですが、ちょうど「これからの生き方」を読み終えた頃に、北野さんの対談イベントの案内を受けました。

 

1時間程度の対談形式とのことでしたが、実際にお話しされる姿を見ながら、さらに学びを深めることができるのではと思い、申し込みました。

 

その対談を中心に、気付いたこと、感じたことをお伝えしたいと思います。

 

 

まず全体的な印象で感じたことは、北野さんはすごく正直な気持ちを伝える人であるということです。

 

時々、ファシリテーター役の女性が、こんなことを北野さんの口から言ってもらったら、視聴者も喜ぶのではという感じの質問をされるのですが、北野さんは相手の期待などに応えるような答えを探すことはされませんでした。

 

例えば、対談の冒頭、「なぜ北野さんは生き方にこだわりを持っておられるのでしょうか?」という質問をされました。

 

すると、「死んだときに後悔したくないという自分の軸、死生観が自分にはあった。」と言われます。

 

何か転機となる出来事があって死生観を持ったということではなく、もともと備わっていたと、あっさり答えられます。

 

そこが、非常に好感が持てるのです。

 

 

一方、著書である「これからの生き方」を読めば、「論語と算盤」の著者で知られる渋沢栄一の考えに共感されているような記述がいくつか見ることができます。

 

それは、理想だけでなく現実を見つめるも必要であるという考え方です。

 

やりたいこと、好きなことを目指すのはいいけれど、きちんとそれが社会の役に立ち、ビジネスとして成立しなければ、意味をなさない、ということです。

 

 

対談の中で、印象に残った言葉を挙げます。

 

 

・より良い人生を送るためには、価値観を明確にする必要がある。

 

・そのために、私は、“記憶”(経験)と“記録”(言語化)を交互に繰り返すことが重要であると考える。

 

・嫌われないように生きていくのは楽かもしれないが、私はそうしない。

 

・お互いがぶつかり合うという経験を繰り返しているうちに、“許せること”と“許せないこと”が明確になっていく。

 

・それによって、自分が何を大切にして生きていきたいかという価値観が明確になる。

 

・“努力”と“工夫”の両立が必要。

 

・間違った努力は無駄になる。

 

・常に工夫できる人を私は応援したい。

 

・キャリアをフロー(収益)だけで考えるのではなく、バランスシート(資産)で考える。

 

・キャリアは“鎖国”と“開国”を繰り返す。

 

 

北野さんは、話をわかりやすくするために、2象限でお話しされます。

 

“記憶”と“記録”

 

“許せること”と“許せないこと”

 

“努力”と“工夫”

 

“鎖国”と“開国”

 

 

これが凄く頭に残りやすいのです。

 

私が最も心に残ったのは、キャリアは“鎖国”と“開国”を繰り返して、成長するというフレーズでした。

 

日本は“鎖国”による貿易統制によって、産業革命の近代化に取り残される形となりました。その代わり、元禄文化に見られるような、浮世絵や文学作品など日本独自の優れた芸術が生み出され、日本独自の優れた文化が発達した、といわれています。

 

北野さんは、この“鎖国”をキャリアに置き換えられ、孤独になる時間を自分で許すようにすることが大切ではないかと語られます。

 

ずっと外ばかり見ていてもいけない。

 

ずっと自分を見つめていてもいけない。

 

両方を繰り返すことで、キャリアをより良いものに変化させていく。

 

これが、北野さんが「これからの生き方」で伝えたかったことのひとつなのかもしれない、そんなことを感じたオンラインセミナーでした。