先日、オリエンタルラジオの中田敦彦さんの幸福論という本を読みましたので、いつものように感じたことをお伝えしたいと思います。
中田さんは、現在「中田敦彦のYouTube大学」でユーチューバーとして、多くのコンテンツを配信されています。
ホワイトボード1枚に、内容を落とし込み、面白く、楽しく解説される姿に、毎回感心させられます。
私は特に、「宗教」「哲学」「歴史」「習慣」「お金」「技術」を好んで視聴しています。
その中でも、感動を伴う良い学びであると最も感じたのが、「独裁者ヒトラーvs喜劇王チャップリン」の回でした。
また、その内容について、いろんな方がされる次のようなコメントを読むことも良い学びの機会になります。
・ヒトラーは授業で勉強するけれど、チャップリンはしない。(だから中田さんのような人は価値がある。)
・チャップリンの偉大さ、歴史はこんなに面白かったんだ。(歴史は暗記物で苦痛といった誤解)
・「私は祖国を愛しています。でも、祖国に愛せと言われたら、私は遠慮なく、祖国から出ていきます。」というチャップリンの言葉の意味が少しわかった気がする。(愛国心は行き過ぎると狂気になるという警鐘)
学びは学校の授業だけではない。
中田さんの功績は本当に大きいなと感じながら、いつも見ています。
さて、「幸福論」ですが、講師業を生業としている者として、この本には勉強になることがいくつもありましたので、ご紹介します。
中田さんは、過去の経験を通じて、自分とはこういうタイプの人間だと述べられます。
・自分はアーリーアダプターとしての振る舞いが得意である。
・それは、何もない荒野を耕して、芽を見つけ出す最初の人よりも、二番手にやってくる人。
・これは良し悪しでなく、自分がそういうタイプなのである。
アーリーアダプターとは、マーケティングのイノベーター理論における5グループのひとつを指します。
以下、簡単に解説します。
イノベーター理論
消費者を5つの層に分類することによって、新しい商品やサービスがどのように市場に普及してくのかを分析した理論のこと。
1.イノベーター(革新者層)
新しいものを進んで取り入れる層
2.アーリーアダプター(初期採用層)
流行に敏感で、情報収集を自ら行い判断する層
3.アーリーマジョリティ(前期追随層)
比較的慎重な層
4.レイトマジョリティ(後期追随層)
比較的懐疑的な層
5.ラガード(遅滞層)
動きが鈍い最も保守的な層
商品・サービス提供者は、この5つのグループの特性を考慮して、アプローチを変える必要があります。
次の画像は以前やったマーケティング授業で使用したものです。
その授業の時に、生徒からこんな質問がありました。
「先生は、どのタイプの人ですか?」
一呼吸置いて、「アーリーアダプターです。」
「ただし、それが本当に自分にとって価値があるものだと信じることができる場合に限ります。」と補足しました。
アーリーアダプターは、他の消費者層に与える影響が大きい購入層であると言われています。
この部分に関しては、中田さんと同じでした。
また、自分の特性を理解し、自分のタイプに相応しいことを見つけ、とにかくやってみることだということを強調されます。
・Instagram は、伝えたいビジュアルイメージが必要になる。自分にはビジュアルはない。
・Twitter は、短い一言のセンスがいる。簡潔明瞭では、自分の真に伝えたいことが伝わらない。
・YouTube は、長い尺を使うので、これが一番自分に合っている。
・近づいてよく観察し、良いと思ったら、まず必死に真似てみる。
・その過程で自分の構成がにじみ出てくるはずなので、オリジナリティの心配をする必要などない。
・物事は、目標に達すること自体が楽しいのでなく、目標に向かって何かをやっている時が楽しいのだ。
このように、良い見本となるものを見つけ、これだと思ったものをとことん掘り下げていくことが、結局は自分のオリジナリティを持つ近道なのかもしれません。
そして、最も私が腑に落ちたのは、トークで使うたとえ話についてでした。
・たとえ話がわかりやすいと言ってもらえるのは、エピソードを仕込みすぎていない時。
・一方通行になる講演でも、相手のいるトークセッションでも、その場に対応していないと発した言葉が生きない。
・話の流れを無視して、無理にエピソードを披露しても、記憶力の自慢にしかならない。
・今、そこで展開されている話のポイントを、さらにはっきりさせたい時のために、比喩を用いるのである。
自分が言いたい話をこじつけて語るのは、全くの逆効果になるということがわかります。
相手が耳を傾けたくなるように、その場の雰囲気、流れに沿った話をして、ここぞという時に効果的なたとえ話することが大切であると。
このような話を次のように、自分なりの知恵というものに昇華できたような気がします。
自分がどんなタイプの人間なのかを、過去の経験、日常生活、普段の言動などを振り返ることで、きちんと理解する。
その上で、自分の特性が発揮できるツールを積極的に採用し、とことん試してみる。
トライ&エラーの過程において、そのツールを独りよがりで使用するのではなく、周囲の状況に応じて、自分の得意とする内容を柔軟に変化させることを意識する。
こうしたことが、相手の満足感を高めることになり、求める成果につながりやすい。
自分の言葉にすると、腑に落ちますね。
追伸)
このように、幸福論の本論とは全く違う領域にフォーカスしてしまうのが、私のオリジナリティだと、自らに言い聞かせています。