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第131号 「モラルエンゲージメント」を理解すると、心の絆の大切さがわかる

 

先日、コミュニティを活用して選ばれる人になるための2時間程度のオンライン勉強会に参加しました。

 

主な内容は、セミナーやイベント、研修講座を実施する際に求められるスキルとキャリアアップの構造についてでした。

 

自分自身にとって、ビジネスを続けていく上で、肝に銘じておかねばならないと思うことがいくつかありました。

 

 

・提供するサービス(コンテンツ)も大切であるが、それ以上に重要なのはお客との関係作り。

 

・ネタ(コンテンツ)が無くなる心配をするのは、関係性ができていないから。

 

・「相手がどのような人で、何を求めているのか」という質問の答えを自分が常に持っていなくてはいけない。

 

・提供するサービスは、あなたが飽きずにやり続けることができるものにしなくてはならない。

 

 

上記のようなことは、何処かに居る誰かが既に述べているようなことかもしれません。

 

しかし、サービスの提供側で、この本質を理解し、実際に関係を構築できている人は、世の中にどれくらいいるでしょうか?

 

 

途中、一部の参加者でグループワークをした時、講師業をされている男性のお話しが印象的でした。

 

彼が主催するコミュニティでは、人材育成の一般的なネタ(コミュニケーション能力、リーダーシップ能力、ファシリテーション能力、ロジカルシンキング能力など)をやり尽くしたので、今は論語などの中国の古典をベースにした人材育成のフェーズに移行しているとか。

 

恐らくこうしたことが出来る理由の一つは、コミュニティの関係性が出来ているからだろうと思います。

 

 

関係作りの源泉となるのは、哲学、思想、理念であると。

 

中々深い話だなあと感心しました。

 

 

そして、もう1つ大切なのは、自分が飽きずに続けることができる分野でなくてはいけないということ。

 

自分自身が惚れ込んでいるコンテンツなら、絶やすことなく愚直に提供し続け、途中で止めてしまわないこと。

 

想いの強さがないと、飽きずに続けることは出来ない、これは真理です。

 

 

この勉強会で最も印象なフレーズが「モラルエンゲージメント」という言葉です。

 

「あなたが、相手に良いことをすると、ずっと一緒にいることができる関係性」と説明されました。

 

 

例えば、ある社会保険労務士が企業と顧問契約をして、給与計算、勤怠処理、社会保険手続きを代行しているとします。

 

しかし、時代が変わり、そういった作業を例えば、クラウドタイプのRPA機能を組み込んだ人事パッケージソフトを導入することになったら、もはや代行する必要はなくなるでしょう。

 

モラルエンゲージメントがないと、あっさりと契約が終了する可能性が高い。

 

しかし、モラルエンゲージメントがあると、「給与計算の代行業はなくなるけど、〇〇さんだから、例えばハラスメントや労働問題の相談に乗って欲しい、ジョブ型に対応した人事制度を指南して欲しい」などと、別の依頼が発生する可能性が高いのです。

 

ここの「〇〇さんだから」、という言葉を掛けてもらえるか、そうした関係を構築できるかが、ポイントです。

 

仕事とお金の交換関係だけなのか、それとも心の絆が伴ったパートナー関係なのか。

 

長い目で見た時、こうした関係性が構築できている人は、予測不能な時代でも、生き抜くことができる、“心の絆の大切さ”を改めて噛みしめています。