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第129号 キャリアデザインセミナーをして気付かされた化学反応の効果

 

少し前から始めているキャリアデザインセミナーですが、いくつかの良い気づきを得ることができましたので、お伝えしたいと思います。

 

受講生が1人の場合と2人の場合の比較です。

 

 

1人の場合です。

 

これは、講師と受講生の信頼関係が一定以上構築できていれば、安心してかなり深い話ができます。

 

多少言いにくい、もっと言えば相手にとって耳が痛い事でも、本人のありたい姿に向けられるものであれば、お互いに言える環境にあるということです。

 

直接セミナーに関わらないことでも、受講生から積極的に質問をしてくれる機会が多くなる傾向があります。

 

 

2人の場合です。

 

特に労働環境が異なり、かつ個人の特性が異なる2人がいた場合、化学反応が起きやすいのです。

 

化学反応というのは、相乗効果で自己の成長につながる良い気付きを得られるということです。

 

 

例えば、1人がすでにビジョンもプランもある程度はっきりしている人で、もう1人がこれから自分の為すべきことを探していこうとしている人がいたとします。

 

この状態でワークをすると、1人は非常に具体的に言語化できますが、1人は抽象的な表現になりがちなのです。

 

私はなにも具体的な言葉が良くて、抽象的な表現が悪いなどと、言っているわけではありません。

 

具体的に言語化されていれば、途中迷うことなく突き進めるかもしれません。

 

抽象的であれば、いろんな経験を吸収しながら、徐々に具体化され、ありたい姿に近づくことができるかもしれないということです。

 

ですから、どちらか一方が良いのではなく、どちらも良いのです。

 

 

そしてワークを始めた時、次のような良い効果が生まれるのです。

 

ビジョンがはっきりと表出している人が、抽象的に語る傾向のある人に対して、問い掛けした結果、相手のぼんやりとした部分をクリアに具現化してくれるのです。

 

一方、ビジョンがはっきりと表出していない人が、具体的に語る傾向のある人に対して、問いかけをした結果、相手の個々の具体的内容を「〇〇や〇〇は、つまり〇〇ということですね。」と概念化してくれるのです。

 

 

ちなみに概念化能力とは・・・

 

具体的な物事を抽象化し、体系的に整理する能力のこと。

 

具体的なモノを抽象的な概念に落とし込むスキルを身に付けると、物事の本質をつかめるようになり、問題解決能力の向上も期待できる。

 

 

こうした良い効果が生まれるには、はやり2人の間の信頼関係があることが前提です。

 

初対面の2人に限られた時間を使って、尊重、理解、共感を生み出すよう、講師が場の雰囲気を作ることができているか。

 

講師の力量が問われるところです。

 

対話の中で、気付いていない自分に触れることは、新たな成長の可能性に気付くということでもあると考えています。

 

自分を知り、世の中を知り、自分の価値観を大切にしながら、常に自分をアップデートさせていく生き方。

 

このセミナーで最も強調したい部分は、まさにこれなのです。