先日、夫婦の記念日ということで、滅多に訪れることのない、いやもう二度と訪れることはないであろう祇園にある三芳というお肉のお店に行きました。
今から数か月前までは、複数のコースメニューがあったそうですが、今はディナーコース1つしかないとのことで、実質2時間弱でしたが、ゆったりと料理を堪能させていただきました。
カウンターに3組、テーブル席に2組、これで満席です。
私たちは、早めに予約していたためか、カウンター中央の一番良い席に座らせていただきました。
テーブル席には常連さんのような方もおられ、さらに次月以降の予約をされる方もいらっしゃいました。
席についてしばらくすると、伊藤さんという店主が、今日使用する2つある肉のかたまりを見せながら紹介されました。
1つは、神戸産、もう1つは三田産。
ピンク色のいかにも極上という感じのお肉でした。
そして、係の方が、最初にドリンクの確認をされます。
私は、当初ビールとスパークリングワインを1杯ずつ飲んで終わりにしようと考えていました。
ところが、料理の品数ごとに少量のお酒(主にワイン)を提供できる裏メニューをお勧めされたのです。
つまり、最初からメイン料理まで9品あるので、9つの種類のお酒が少量ですが楽しめるということ。
記念日で気持ちが大きくなっていたのでしょう。
思わず2つ返事で、値段も聞かず注文してしまったのです。
私の横に座られた男性も同じものを注文されていました。
飲み始めて、これは本当に美味しい、と思えるワインや日本酒は確かにありました。
ですが、赤ワインなどは、GACKTさんでもない限り、市販で販売されているものと、どのように違うかなどは、私にはわかりようがないと途中から感じていたのです。
正直に申し上げると、美味しさに十分満足したのですが、ドリンク代が1人当たりの料理のおよそ半分くらいの価格であったことを支払い時に気付くということもあって、何とも言えない気持ちになっていました・・・
さて、肝心の料理については、最後に画像で確認していただくとして、全体を通じて感じたことを簡単に述べるだけにします。
この店に来るのであれば、はやりカップルでカウンターが一番いい。
目の前で調理の様子を確認でき、次の料理が出る間も十分楽しめるというエンターテインメント的なものを感じることができるからです。
伊藤さんの包丁さばきは見とれてしまいます。
包丁も良いものを使用されているのでしょう。
切れ味が非常に滑らかで、ほれぼれします。
調理補助をするサブスタッフとの連携もスムースでした。
毎月料理が変わるスタイルなのですが、息がピッタリで無駄がない、絶妙のコンビネーション。
大げさに聞こえるかもしれないのですが、演劇の舞台役者のように私の目には映りました。
料理の味については、もちろん文句の付けようもありませんが、5品目ぐらいを食べている時、「お腹が膨れなかったらどうしよう。」と変な心配をしてしまいました。
しかし、全くそんなことを気にする必要はありませんでした。
最後のメインの大ぶりの肉を5切れ食べると、もうこれ以上は無理という状態になったからです。
恐らく、1品ごとに出てくるお酒でお腹が膨れてしまったのでしょう。
お酒がとても大好きという方以外は、この裏メニューは選択肢から外しても良いかと。
今となっては、本気でお肉を味わいたい人は、ドリンクはお茶か水でもいいとさえ思っています。
さて、私は9品の中で、どれが一番良かったかと聞かれれば、同率で次の2品です。
・牛トロ巻き
・特選但馬牛ステーキのシャトーブリアンです。
3品目に登場した 牛トロ巻きは1貫でしたので、もうあと三貫は食べたいと思うくらいのうまさでした。
特選但馬牛ステーキは、サーロインとシャトーブリアンが半分ずつあったのですが、食べ比べると、シャトーブリアンが柔らかさで優るということが、人生で初めてわかりました。
店主の伊藤さんが、自分で食べて、本当に美味しいと思える肉だけを提供するというこだわりが、メニューを通じて、ひしひしと伝わってきました。
もう私がもう一度このお店に来ることはおそらくないでしょう。
私の勝手な予想ですが、何年かすれば、もっと高額になって予約が取りにくい店に変貌しているのではと思っています。
最後に、2020年10月のメニューとその時の写真を掲載しておきます。
美味しそうなため、写真を撮るのをついつい忘れてしまうほどでした・・・
お肉が大好き、極上の雰囲気を楽しみたい、店主のこだわりを感じたい方、是非是非お勧めのお店です。