· 

第124号 FFS診断(宇宙兄弟バージョン)でわかった”みんなの強み”①

 

数か月前から雑誌や新聞広告でよく目にすることが多くあり、読みたいと思っていた本がありました。

 

「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らない あなたの強み」 古野俊幸著

 

宇宙兄弟という漫画やアニメの存在は知っていましたが、どういうわけかこれまで興味を持つことがありませんでした。

 

しかし、今回この本を読んだことで、俄然興味が湧き、現在漫画の宇宙兄弟第2巻を読んでいるところです。

 

さて、肝心の中身ですが、私の知的好奇心を満足させる十分な内容で、新たな発見ができました。

 

 

ここでは、本当に単純化して簡潔にお伝えします。

 

環境や刺激に対する感じ方、捉え方の特性を5つの因子として計量化した「FFS理論」を用いて、自己理解、他者理解、組織理解を促し、良好なコミュニケーションを図ろうという内容です。

 

Five Factors Stress この頭文字をとって FFS と略されています。

 

ストレス(Stress)といえば、なるべくなら避けて進みたいと思う方が多いように思うのですが、FFS理論においてはこう定義されます。

 

「適度のストレスが掛かった状態のときに、その人の個性がポジティブな方向に発揮され、過度なストレス状態では、その個性がネガティブな方向に発揮される。」

 

つまり、過小なストレスではなく、生き生きと活動するには適度な刺激が必要であるということなのです。

 

5つの因子のうち、4つが対照関係にあり、1つだけが特殊因子であるとのことです。

 

 

1.凝縮性

 

こだわりが強く、周囲に左右されずに、ぶれることなく持論を主張できる。

 

2.受容性

 

相手を柔軟に受け入れ、周囲からの感謝を自分の喜びにすることができる。

 

3.弁別性

 

情報に基づき、白か黒かはっきりと分け、合理的で無駄なく進めることができる。

 

4.拡散性

 

好きなこと、興味のあることに対して、すぐ飛びつくことができる。

 

5.保全性

 

成功体験をベースに体系的な知識や経験を得ることで、成長することができる。

 

 

対照関係にある1つが、「凝縮性」と「受容性」。

 

 

「凝縮性」は「俺が、俺が!」というように、ベクトルが自分に向く傾向があります。

 

逆に、「受容性」は相手がどう感じるているのだろうかと、ベクトルが相手に向く傾向があります。

 

 

もう1つが、「拡散性」と「保全性」。

 

「拡散性」は興味を持ったことにドンドン進み、意識が外に向けて広がる傾向にあります。

 

一方、「保全性」は、維持するためにコツコツ改善して良くしようという意識が強くでる傾向があります。

 

 

ある研究所が調査した日本人の因子データの分析結果によると・・・

 

「保全性」・・・65% 「拡散性」・・・35%

 

「受容性」・・・80% 「凝縮性」・・・20%

 

 

さて、この本を購入する決め手になったのが、WEB診断が出来る読者特典が付いていたことです。

 

私がやった結果がこちらです。

 

 

第一因子 受容性

 

第二因子 保全性

 

第三因子 弁別性

 

私は漫画を読んでいる最中なので、このエディの存在を知らないのですが、本では彼をこのように紹介していました。

 

 

・柔軟で面倒見が良く、合理的に判断していくことができる。

 

・慎重で体系的に考えられる。

 

・経験値があれば、頼りがいのある人。

 

 

私は、「なるほど!」と思わず心の中でつぶやいたのが、この「経験値があれば、頼りがいのある人」でした。

 

 

保全性の高い人がよく言う「自信がない」という言葉。

 

この「自信がない」という言葉の裏には、「できないと思われたくない。」という保全性の高い人の特有の心理があるというのです。

 

 

保全性の高い人は、次のような2つの特徴があることのこと。

 

1.自分の無能さが露呈するのを恐れ、自信のないことは行動に移したがらず、なかなか一歩を踏み出すことができない。

 

2.人目を気にして失敗しそうな挑戦に一歩踏み出せない一面があるものの、一歩踏み出すと決めたら、できるようになるまで努力する。

 

 

過去の自分を振り返れば、このようなことをつぶやきながら、同じところをグルグル回っていたなと苦笑してしまいます。

 

「失敗するのはイヤだ」

 

「周りがどう発言するか、出方を待って動こう」

 

「もう少し準備をしてから始めてみよう」

 

 

自分が無知であることを相手に悟られたくないと、無理に知ったかぶりをすることも度々あったように思います。

 

ひょっとしたら、今もそうかもしれません。

 

書いていて少し情けない気持ちにもなるのですが、私は馬鹿にされるのを極度に怯えるような人であったのではないか、と思います。

 

本書においては、そうした保全性の高い人が、その強みを上手に発揮できるようにするための指南を、山登りに例えて紹介されています。

 

登り始め、一合目では、視界が悪く、保全性の高い人にとっては、先の見えない状況に不安を感じてしまう。

 

しかし、しっかりと準備をすることで不安を減らし、物事を慎重に進めながら、小さな成功を重ねていく。

 

つまり、保全性を高い人は、まずは自信がつくまで努力し続けることが大切であるということ。

 

そして二合目から三合目付近にようやくたどり着いた、その後の行動によって、さらに上に登れるか、それとも三合目付近でウロウロしてしまうかが決まるというのです。

 

その鍵となる行動とは “自分の専門領域における知識の体系化” であるといいます。

 

保全性の高い人が、自信を持ってさらに前進するためには、「この領域ではだれにも負けない。」と自負できるくらいの豊富な知識を持っているかどうか。

 

そのためには、様々な情報を関連付けてある知識体系を作り、使える知識へと昇華させる必要がある。

 

 

そして、実際にそれを使って体験することで、独自の勝ちパターンができるようになり、それが「俺は何とかなる!」というゆるぎない自信につながるというのです。

 

 

「なるほど!」

 

 

私は、現在個人向けのキャリアデザインセミナーを運営していますが、自分が更なる高みに登るためには、関連情報を体系化して、使える知識、もっと言えば、普遍的な知恵に昇華させるようなコンテンツを生み出していけばよいのではないか。

 

そう考えた時、学校の非常勤講師として学んだマーケティングとすでにあるキャリアデザインとを組み合わせて、独自のコンテンツとして勝負すればいいのでは。

 

保全性の高い人が持つ強みを活かすということは、こうしたことを考えて、行動することにあるのではと感じるのです。

 

まだ書きたい内容があるので、続きは次号に持ち越したいと思います。