先日、ジーンと心に響いた書籍がありましたので、ご紹介します。
日本図書センター「この世の中を動かす暗黙のルール」岡田尊司著
このように紹介されています。
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「いまの自分は"本当の自分"ではない」と思っている人、必読!
失業した若者が、将来に絶望して自殺を図る。
幸い助けられたが、精神病院に入院させられる。
そこで、若者は一人の奇妙な老人と出会う。
若者は老人から、この世の中を動かしている「暗黙のルール」があることを教わる。
それにより、若者が新しい生き方を手に入れようとするのだが......。
「暗黙のルールを知っているかどうかで些細な違いが生まれ、それが積もり積もって大きくなり、人生の幸不幸が左右されてしまう。それが、わしがこの人生から学んだことじゃ」
物語であると同時に、読むことで、生きづらさの本質を知り、それを克服する方法を学んでいくという実用書の面も兼ね備えている。"
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実は、2010年に幻冬舎より刊行されている本を一部改訂して出版されているものです。
私の10年前を振り返れば、ほとんど読書をしていなかったことを思い出し、だから気付くことがなかったのかと、思わず苦笑いです。
さて、私はこれを読んでいる途中に、自分が過去読んだことのある本の記憶がよみがえりました。
それは・・・
このように紹介されています。
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大富豪の祖父が残したものは、「お金」ではなく「9つの手紙」だった。
神戸から上京し、東京で暮らす大学2年生の主人公:佐藤敬(サトウ・ケイ)は、特に目標もなく、平凡な毎日を送っていた。
ある日、大富豪だった祖父:佐藤泰三(サトウ・タイゾウ)の遺品の中から、自分宛の「9つの手紙」が届く。
その中にある「お金の代わりに残すものは、人生でいちばん大切なものを学ぶ機会だ。
手紙の内容を身につけることができれば、仕事の成功、十分なお金、よい人間関係、家族との幸せな暮らしも、きっと手に入る」という言葉と直感に導かれて、1通、また1通と「手紙」を開けながら、北海道~京都~タイのバンコク~チェンマイと、祖父の友人たちに「人生の秘密」を学ぶ旅に出ることになる。
やがて、主人公・敬(ケイ)は、「手紙」に導かれるように、幸せの国・ブータンにおもむき、ブータンに住む老人・プルパから最大の学びを得て、日本へ帰国する、学びと感動のストーリー!
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この2冊には以下のような共通点があります。
・主人公が、祖父または老人のような賢人の立場からから、1つずつ教えを乞うところ。
・ストーリーを通じてヒトやモノの本質が見えてくるところ。
・1つをクリアすると、次の課題を与えられ、または見つけ徐々に主人公が成長していくところ。
・いろんな場面に遭遇する主人公に自分を重ねてしまうところ
1冊は、お金との向き合い方、もう1冊は人との向き合い方を教えてくれる本であるともいえます。
私も多分に漏れず、人との関係がうまくいかずに、悩むことが多かった部類です。
人間関係に悩みを抱える当人は、「何故こうも上手くいかないんだろう?」とか「本当は誰が悪かったんだろう?」などとつぶやくだけで、わけがわからずに、同じところをグルグル回って、解決しないことがとても多いように思います。
この本で述べられている、人間関係の暗黙のルールをきちんと理解することは、そうした悩みに上手く対処できる効果があるのではと感じるのです。
ルール1 人は関心を共有する者を、仲間だと認める
ルール2 見捨てられたものほど、認められたがっている
ルール3 自分が求めているものを、はっきりさせないと、求めているものは手に入らない
ルール4 間違った相手と交渉してはいけない
ルール5 相手の安全を脅かすものは、激しい攻撃を受ける
ルール6 逃げ道を用意しておかねばならない
ルール7 自分を肯定されたければ、相手を肯定しなければならない
ルール8 真っ白な気持ちで向かい合えば、相手の気持ちも、真っ白になる
どれも的を射た真理だと思います。
はっきりしていることは、自分の失敗を認め、その真理を実感し、行動に移すことです。
このルールで共通する言葉、それは「他人を変えようとせず、自分が変わる。」だと私は理解しています。
人は、自分のことを棚に上げて、他人の悪い部分がことさら目にいくようにできている生き物です。
悪い状況下において、その中でも良いところがないかを探す癖を作る。
口では簡単に言えても、実行することは本当に難しい。
でもそれはとても大切なこと。
私は心に響いたこんな言葉をエバーノートに記録しました。
・良いところを見つけられるかどうかで、幸せになれば、不幸にもなる。
・自分の求めるものをはっきりさせることが、結局みんなの幸せにつながる。
・遠慮して、我慢して、相手に合わせても、報われないどころか、自分が悪者にされてしまう。
・人に使われている限りは、自分のやりたいことを実現するのは難しい。
この本では、主人公が入院した病院で出会った先生と呼ばれる老人との会話を通じて自己成長してゆくストーリーが描かれています。
出会ったばかりの頃は、主人公には自己防衛本能が働き、先生に心を許しません。
しかし、次第に先生の話すことが実感できるようになり、教えを乞うようになります。
主人公は退院してからも、困難に直面すると、入院している先生あてに、面会に度々訪れます。
やがて、主人公は自ら考え、行動することで、難局を乗り越えることが出来るようになり、次第に先生を訪ねる頻度が減っていきます。
そして、良い報告が出来るようになった時、久しぶりに先生を訪れます。
しかし、先生が1カ月前に他界したことを、主人公は病院ではじめて知ることになるのです。
死ぬ前に先生が主人公にあてた手紙の内容が感動を誘います。
「あなた(主人公)が自分(先生)のもとへ来なくなったことは、喜ばしいこと。
もう、私(先生)の助けは必要なくなったという証拠。
私は、失敗した人生をいやという程見てきたが、そこに生きる上でのヒントがたくさん詰まっていた。
人生に遠慮などいらない。
自分の人生を存分に生きて欲しい。
私が教えた言葉で私を思い出してもらえれば、それで本望、私はあなたと共に生きている。」と。
人間関係で生きづらさを感じている、いないに関わらず、「人間というものの本質(DNA)」を物語形式でわかりやすく理解するにはピッタリの本です。
ご興味のある方は、是非ご一読ください。