ここ数か月、多くの方にとって、コロナ渦でさまざまな活動が制限されてしまったように思います。
これまで普通に出来ていたことが出来なくなるストレスのようなものは、病気になって健康のありがたみを深く感じることに近い感覚かもしれません。
およそ100年前にスペイン風邪が流行ったように、こうしたことは一定の周期で繰り返されるものと認識して、その中で自分を変化させながら、ともに生きる覚悟のようなものが必要であると感じているところです。
さて、これまで私は毎週土日の午前中に、近くにある市民体育館で筋トレ、ランニングを定期的にやっていたのですが、コロナの影響で休館状態が続いていました。
いつになったら再開するのだろうと、しばらく様子を見ていたのですが、一向に再開する気配がなく、次第に自分のお腹の肉が気になりだす始末でした。
全く私の想像ですが、会社員の時代であれば、自分のお腹が出ているのは、コロナによって、体育館でトレーニングが出来ないせいだ、と言い訳していたように思うのです。
でも今、フリーでいる私は、違う行動を取っています。
トレーニングルームが使用できないなら、それ以外の場所で体を動かそうと。
ゆっくりとしたペースですが、ほとんど雨の日以外は、片道30分程度のランニングをするようになりました。
これを出来るようになったのは、秘訣があるのです。
自分の好きな本をミニショルダーバッグに入れて、お気に入りのカフェに向かって走り、そこで1時間程度読んで、自宅へ走って帰るというルーティンを組み込んだことです。
おかげでほぼ毎日、1時間程度読書をして、1時間走るという習慣が出来ました。
特にお気に入りのテラスがあるカフェでは、コロナの3密が回避できるというメリットがある上、午前中にはよくウグイスが鳴き、風が心地よく、読書するにはピッタリ、天気の良い日はテンションが上がります。
今、気に入って読んでいるのは、USJのV字回復の立役者と呼ばれ、現在はマーケティングのプロ集団、株式会社刀代表の森岡毅さんの著書です。
特に最近良かったのは、「マーケティングとは組織革命である」でした。
小難しい理屈抜きの、実例を交えた実践的なノウハウ、考え方を惜しげもなく披露されているところが最もおすすめできる点です。
あと3500円と値が張りますが、「確率思考の戦略論」という本を読めば、森岡さんの本を全て制覇できそうなので、楽しみにしています。
また、この読書に関しても、かねてから続けているひとつの習慣があるのです。
それは、本を読んでいる最中に、「コレは!」という自分の琴線に触れた文章を見た時に、エバーノートというクラウド型アプリに即座にメモをするという習慣です。
本を読む人は一定数いると思いますが、読んだ先から頭から抜け落ちていくということはよくあるのではないでしょうか。
「1年前に読んだあの面白い本、どんな話だったっけ?」
よっぽど、本を読んだ後、ブログに書くとか、読書会に参加して感想を披露するとか、勉強会のネタにするなどしないと、たいてい人は忘れてしまうものではないでしょうか。
ですから、必ず携帯しているiPhoneのアプリを立ち上げれば、即座に記録内容を確認できることは、物覚えの良くない私には計り知れないメリットなのです。
「マーケティングとは組織革命である」を記録した内容を少しだけですが紹介します。
このような形で、読んだその時に、随時書き込んでいます。
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・社内評論家
社内に自分だけ安全コンサルのような人が増えると、責任の所在が不透明にあり、組織は歪んでいく。
そんな人には、人々は心の底では従わない。
・会社の組織と人体の組織との相関関係
組織は、部分最適ではなく全体最適を目指すべき。
人体組織から学ぶべき重要なヒントは、各臓器が上下関係でなく、明確な役割による共依存関係でつながっていること。
組織は部位で完結することはなく、機能でつながった鎖として目的を果たす。
それぞれの臓器が己の役割を忠実に果たすことが、他の臓器の活動および全体の生存を可能にしている。
・人の本能は自己保存
人間の脳は動物の本能として、変化を拒むようにできている。
人間の脳には、とりあえず生きているなら、それを変化させることで死んでしまうかもしれないリスクを避けようとする機能がある。
動物が生存確率を高めるために本能として備えている現状維持機能である。
人間の本質は、自分の生存確率を最優先する自己保存。
個人が取れるリスクの範囲で、自己保存と組織の利益の間でバランスをとっている。
コミュニケーション不全に陥っている組織問題の核心は、コミュニケーションすると、個人が損をするようになっていること。
つまり、個人の自己保存に反した構造になっていること。
我々にできることは、人間の本質に逆らうのではなく、その性質を目的に応じて利用する仕組みに組織を変えること。
組織づくりの本質とは、自己保存の本能を逆手に取ること。
人は自己保存のために変化を嫌う生き物であるが、生存確率を高めるためには、好ましくない行
動でもあえて行う自己保存の生きものでもある。
より大きな変化を嫌うために、小さな変化は受け入れる。
個人と会社の利害を一致させる構造的な仕掛けが必要。
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少し脈略がなかったメモかもしれませんが、お判りいただけたでしょうか。
こういう内容を読み返せば、こんなことが思い出せるでしょう。
・当事者意識が低い、社内評論家ばかり増えると、会社は機能しない。
・一つの部署が一生懸命、自分の組織に有利になるようなことばかり考えていると、会社全体にとっては、良くないことになってしまう、だから全体の最適化が必要。
・人体の組織にたとえて、一つ一つの臓器が役割をきちんと果たすことによって、人間が活動できるように仕向けるつながりを重視しなくてはいけない。
・人間は自分が一番かわいい。
・人は、自分の生存確率を高めるように作られている生き物。
・変えられない本能なのであれば、その自己保存の機能を上手く活かしながら、人や組織をコントロールするのが最も効率がいい。
などなど、です。
また、コロナ禍の自粛期間中、自分の学びを深めようと、いくつか取り組んだことがありました。
グロービスおよびschooのeラーニングです。
特にグロービスの学び放題というプランでは、手間暇をかけて、ユーザーフレンドリーに作りこまれた多くの学習映像が魅力です。
自分のコンテンツ開発にも役立っています。
プランを継続しているユーザーを対象に、無料のオンラインセミナーに参加することができます。
最近は、中田敦彦さんのyoutube大学も見るようになりました。
内容もさることながら、1枚のホワイトボードだけを使って話をするところや身体言語パフォーマンスなど、私にとっては見習いたいところがたくさんあり、本当に勉強になります。
このように、会社員の時には出来なかった、というより理由を付けてしようとしなかったことをするようになりました。
今ははっきりと芽が出ているようには感じていませんが、こうした習慣が、いつか自分の成果として目に見える形で現れるような予感がします。
VUCAといわれる不安定要素の多き時代です。
Volatility:変動性
Uncertainty:不確実性
Complexity:複雑性
Ambiguity:曖昧性
ニューノーマル、新しい生活様式などの言葉を最近耳にするようになりました。
今年、コロナが世界中に蔓延し、生活スタイルが激変するなんて誰が予想できたでしょうか?
「これをやっておけば大丈夫」、「これさえ出来れば安心」という時代はとっくに終わりを告げてしまいました。
何が正解かなど、誰もわかりません。
なら、自分がありたい姿を思い描き、それに向けてとにかく行動してみる。
結局これが自分に最も大切なことであると実感しているところです。
探せばいろんなところに学びは存在しています。
自分は無知であることを自覚し、貪欲にいろんなことを吸収して、それを研修やセミナーというプラットフォームで自分の知見を提供していきたい、最近強く思うようになりました。