先週の日曜日、京都にあるイオンモールにて「嫌われる勇気」の著者・岸見一郎さんと古賀史健さんによる講演会があり、参加してまいりました。
私のこれまでの人生の中で、書籍の出版関連の記念講演に参加するのは初めての経験で楽しみにしていました。
実はこの参加要件として「嫌われる勇気」または「幸せになる勇気」のいずれかの本を持参する必要があったのですが、私はこの2冊ともすでに購入して読み終え、メルカリで売却していたのでした。
そこで参加受付窓口へ事情を説明し、参加させていただきたいと電話で申し出をしたところ、当日早めに来て、著者への質問票に記載することを条件に参加票を仮発行していただく運びとなったのです。
参加枠は200名、私の仮予約番号は183番、何とか間に合いました。
そして当日、せっかく書くのなら、司会者の目に留まって読んでもらえるような内容にしようと次のような内容を考えていったのです。
「私は岸見先生と同じ高校出身ですが、学校で学んだ事で、自分の人生に役に立ったと思うことは、どのような事ですか?また、それは今の自分にどのような影響を与えたと思われますか?」
さて、この内容で取り上げていただけるだろうかと期待をかけながら、講演会が始まったのです。
前半は、本を読まれたことのある方でしたらご存じの「課題の分離」について、お二人からの解説。
後半は、司会者が読み上げる質問票をベースとした質疑応答です。
冒頭のお二人の挨拶の中で「嫌われる勇気」が200万部を超えるスマッシュヒットとなった過程を紹介されました。
お二人ともメディアへは積極的に露出されず、またその本自体もネットやテレビを使って大々的に販促したわけではなかったそうです。
それではなぜここまで支持されるに至ったのか。
それは、読者から知り合いへの口コミだったそうです。
「これ、なかなかいいよ。本当におすすめ!」のような話が各地であったようです。
このお話を聞いて思い出したことがありました。
私はかねてから「嫌われる勇気」という本の存在は知っていましたが、購入して読むということに至りませんでした。
しかし、ある時友人がこの「嫌われる勇気」を強く勧めてきました。
「これは絶対読んだほうがいい。僕が仕事で悩んでいるとき、これに助けられた。勇気付けられたんだ。」と熱っぽく語るのです。
これもまさしく、口コミだったわけです。
なるほど、本当に良いものは、伝播しやすい。
この普遍的な原理原則を忘れてはならないと改めて思い直しました。
前半は、「課題の分離」を正しく理解していただくための事例を交えながらお二人が解説されました。
さて後半の質疑応答です。
しかしながら、もうすでに6つ程質問が挙がり、私の質問は取り上げられないかなと、あきらめかけていたとき、司会者から雰囲気を変えてみましょうと、私の質問がふいに取り上げられたのです。
「よし!」と心で小さくガッツポーズ。
岸見先生がそれに対してお話しされたことは、高校時代は、あまり良い思い出がなかったというような消極的に聞こえる発言でした。
でも私は共感できたというか、これが妙にうれしかったのです。
その後、今になって思い返せば、大きなことを学んだとも言われました。
それは「社会に献身せよ」という3つの校訓のひとつの意義深さでした。
また、最近は自分だけよければいいと考える人が増えてしまったことを危惧しています。
当時校訓などあまり意識することはありませんでしたが、今は身に染みて大切なことであったと感じていますという趣旨のことをお話しされていました。
岸見先生は、声を張った力強さはありませんが、静かさの中に深みや重みの漂う語り口が印象的な方です。
私は、本に登場する哲人をイメージしているのか、理想主義や厳格主義が強いように思っていたのですが、いたって現実的で誠実感あふれる方と知ってうれしくなりました。
余談ですが、私は「自分は他人の期待を満たすために生きているのではない!」このフレーズが大変気に入っています。
岸見先生ありがとうございました。
前置きが非常に長くなってしまいましたが、今回私がお伝えしたかったことは、選択してもらうための戦略を考えることの重要性です。
たかだか質問で戦略なんておおげさに聞こえるかもしれませんが、これはビジネスでも応用できるのではないかと私は思うのです。
特に個人で仕事をする人は、集客力が必須になります。
自分を選んでいただけないと話にならないからです。
私の選んでいただく戦略は次のようなものでした。
1.本の話が中心となるだろうから、敢えて違う話題、特に青春時代は、話すほうも聞くほうも興味が湧くのでは。
2.最近母校で講演された内容をまとめた「哲学人生問答」という本を出されたところでもあり、その高校の話は先生にとって旬ではないか。
3.何よりも私があまり充実していなかった高校時代を、先輩はどのように過ごされていたのだろうかという純粋な興味があった。
このようなことを考えて実は書きました。
今回、「選んでもらう勇気」をもって望めたように思います。
これからの自分の本業に活かしていきたい、そのように感じた次第です。