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第103号 池上彰さんの「ニュースの見方を変えよう」からdocomoショップ店員の意図性を考える

 

私の中学生の次男のことですが、部活でテニスをしているだけで、これといった習い事は現在していません。

 

そのかわり小学生から始めていた進研ゼミのチャレンジタッチを今も続けています。

 

私が小学生の頃は、冊子や付録を中心とした学研の通信教育なるものをしていましたが、今は専用のタブレットを使ってデジタルで勉強できるようになっています。

 

これもメリット・デメリットがあるようです。

 

ゲーム系のコンテンツや無料のデジタル書籍を見てばかりで肝心の勉強をあまりしないこともあるのです。

 

我が家では、一応勉強することにつながっているので、私はこれで勉強の習慣が付けばいいと思っています。

 

その進研ゼミのチャレンジタッチ、赤ペン先生に添削してもらうために、解答用紙を月一回提出することになっているのですが、昔と違いこれもデジタルで提出します。

 

鉛筆で答えを記入した解答用紙をタブレットにあるカメラで撮影し、画像データで提出するのです。

 

赤ペン先生がマル付けをして、いろんなコメントを追記した答案用紙をタブレットに返却してくれます。

 

さらに、親のスマホからその内容を閲覧することもできるのです。

 

本当に利便性が良く、効率的であると実感します。

 

さて、つい先日国語の結果が戻ってきたので、どんな状況かスマホから覗いてみました。

 

すると点数は平均点以上でまずまず。

 

答案用紙と併せて問題用紙も読んでみました。

 

その文章問題には、最近ニュースが演出されてる傾向にありますとか、発信された情報をそのまま鵜呑みにせず、制作者側の意図を考えてみる癖をつけてみましょうといった、若い学生に向けた示唆に富むアドバイスがありました。

 

うん?

 

なんかこの語り口調、見覚え、聞き覚えがあるような。

 

文章を最後まで読んで得心しました。

 

東京書籍「新編 新しい国語I」池上彰「ニュースの見方を変えよう」

 

池上彰さんの記事が中学生の教科書に掲載されているのです。

 

私が尊敬する一人、池上彰さん。

 

ここにまで登場するんですね。

 

池上さんの語られる内容は次のようなものです。

 

最近、民放のテレビの傾向として、ニュースを取り扱う番組が増えてきている。

 

その訳は、ニュースも視聴率が取れる番組であるという認識が広まってきたから。

 

そして、更に視聴率のアップを目指して、視聴者が飛びつきやすそうな誇張した演出が施された番組も増えてきた。

 

ニュースであっても制作者のねらいや意図が入っていることが見て取れる。

 

だから、そのまま全てを信じないで、その表現は本当なんだろうか、考える習慣を身に付けることが大切であると言われます。

 

ニュースを一方的に受け取るのではなく、自分ならこんな風にコメントするかもしれないと考え、ニュースを自分なりに判断していくことがこれから必要となるのではないか、そのような内容でした。

 

 

私はこの文章を読んだ時、ふと先日起こった出来事を思い出したのです。

 

それは、i-Phone7を買い替えるために、docomoショップに行った時のことです。

 

私が購入したいと思っていたのは、一世代前ですが、i-Phone Xです。

 

購入端末サポートという特定の機種を大幅に値引きできるサービスを利用して安く携帯を購入しようとしていました。

 

他社からの乗り換えでしたので、トータル10万円値引いてもらえることを確認していました。

 

今ならi-Phone Xの端末代は、実質1万5千円という格安価格です。

 

しかし、いざ購入すること伝えた時に、ショップの店員さんからこんなことを言われたのです。

 

「今なら値引き後のi-Phone Xより1万程度高いですが、最新のi-Phone XRが手に入りますよ。」

 

私は即座に、''この店員はどういう意図性を持って私に提案してくれたのだろうか''と考えたのです。

 

最新とは言われたが、後継機とは言っていない。

 

'' Xの本当の後継機は XSで、 XRは廉価版''

 

''ひょっとしたら旧型の Xよりも利幅が大きいかもしれない XRを勧めにきたかもしれない。''

 

以前の私であれば、それぐらいの価格差なら最新の後継機の方がお得なはずと店員の言葉を鵜呑みにして勧められるがまま買ってしまっていたのかもしれません。

 

しかし、こだわりの少ない私といえど、購入した後に、''あっちにすれば良かった''とか、''失敗した''なんて言いたくありません。

 

CPUについては、 XRの方が高性能。

 

ディスプレイもXRの方が大きい。

 

カラーの種類も多くある。

 

しかしながら、実は部品の圧倒的な差があるのです。

 

Xは有機ELディスプレイ、背面デュアルカメラでズーム撮影に威力を発揮します。

 

一方のXRは通常の液晶ディスプレイで、背面シングルカメラです。

 

それに実際の本体価格は、XRよりもXの方が約3万円高いのです。

 

にもかかわらず、一万円も多く出してiPhone XRを購入する理由が何処にあるのでしょうか!

 

※ちなみにこれは私の見解であり、違う意見もあることは十分理解しているつもりです。

 

そんな事が頭によぎった後、私は店員にこう返事をしていました。

 

「 XRって重すぎて片手で操作することが難しいということを聞いたので、ギリギリ操作できる Xにしておきますね。」

 

そう言うと、私がある程度予備知識があると知ってか、それ以上は無理に勧められませんでした。

 

専門家は当然それ相応の勉強はしているし、私より知識は豊富なはずです。

 

でも、彼には私には持ち合わせていない自社の利益を優先するという目に見えない使命があるのです。

 

店員が私に完全に寄り添ってくれることなんてあり得ないのです。

 

だから、こちらも知識武装して、自分の購入する商品に求める事を明確にした上で臨む必要があるのです。

 

何を捨てて、何を得るのか。

 

この場合で言えば、お金を渡して、iPhone Xを受け取る。

 

もっといえば、どれだけの対価を払って、携帯に何を求めたいと自分は考えているのかです。

 

 

他人に依存するのではなく、自分で考えて、自分で決定する。

 

仮に失敗したと分かっても、それを他人のせいにしない。

 

「自分が不勉強だった」、「自分の考えが浅かった」などと考えるのです。

 

 

ニュースが伝えることも専門家がお勧めすることも同じで、言われる事をそのまま鵜呑みにせず、発信側の意図性に意識を向け、最後は自分で考え、自分で決め、そして決断に責任を持つ。

 

中学生の教科書からの大切な意識の持ち方を学ぶことができたのです。