先日、日経新聞の朝刊を読んでいた時に、「秋元康さんに聞く人生100年時代の備え」という記事を見付けました。
この中に、名言といってもいいぐらい心に響く言葉がいくつかあり、私はすっかり心を掴まれてしまったのです。
今日はそのことについてご紹介するとともに、私が感じたことをお伝えしたいと思います。
実はその記事を見付ける前に、新聞下段に気になる書籍の広告がありました。
進学塾VAMOS代表の富永雄輔さんが書かれた2冊の本。
「女の子の学力の伸ばし方」と「男の子の学力の伸ばし方」です。
このポイントや特徴が非常に良い得て妙なのです。
女の子を伸ばすポイント・・・2割叱って8割ほめる
女の子の特性・・・共感性、失敗嫌い、信頼関係、安心感、バランス感
男の子を伸ばすポイント・・・動機付けよりルーティン化
男の子の特性・・・競争好き、飽きっぽい、要領が悪い、根拠なき自信
三男の息子は上の4つ全て当てはまっていると思います。
すぐに「大丈夫」や「うまく行く」とかを平気で言い放ちます。
これは正に「根拠なき自信」。
一方、女の子は出来る限り失敗を回避したいと考えます。
嫁が買い物やレストランで注文する時にかなりの時間をかけていることを考えると、至極納得する話です。
本当に男と女の本質的を掴んでおられるなぁと感心していたのです。
さて、そこから数ページめくった後、秋元さんの記事を見つけたのです。
初めに秋元さんの記事をさらっと読んだ時、「根拠なき自信」という文字がまた目についたことから、「コレは」と思い、興味を持ってじっくり読み始めることにしたのです。
インタビューアーがこれからの若者は人生100年時代をどう生きればよいか、秋元さんにアドバイスを求めます。
若者は人生設計をしっかりやる必要があるかとの問いには、秋元さんはこう答えられます。
いつの時代も若者は、老後の生活をイメージして目標立てて生きていこうなんて考えていない。
前の世代を参考にしたり、反発したりして、ジタバタして生きていくのがいい。
知恵をつけ過ぎて、賢くやろうとすると、考えも行動も小さくまとまってしまう。
人はとかく他人と比べてしまう生き物である。
今の世の中では、青が主流だからといって、赤の人が無理して青になろうとしている人がいる。
そうすることは、結局その人にとっては、マイナスの生き方にしかならない。
「赤は赤でしか生きられないから、赤として生きるしかない。」
マイノリティー(少数派)に劣等感を感じる必要などない。
確かにマジョリティー(多数派)についた方が、傷つくことも少ないし、楽なのかもしれない。
しかし、それと引き換えに個性は埋没せざるを得ない。
この不確実な現代では、確信を持って行動することは困難。
だから、勝手な思い込みが実は大切。
「根拠のない自信を持っていないと、根拠が覆されたとき、自信まで崩れてしまう。」
なんとなく行けるという感覚、自分の中にある本能の声、欲望、哲学を解放することが大事。
それを賢く飼い慣らそうとすると、つまらない人生になってしまう。
記事を一部私の解釈を入れて簡潔にまとめてしまいましたが、概ねこのような事が書かれていたと思っています。
私はこの「根拠のない自信がないと、根拠が覆されたとき、自信まで崩れてしまう」という言葉に共感してしまいました。
人は、理性的に、また論理的に思考したものを信じて突き進む事があります。
ここまで考えて行動したのだから間違うはずがない。
でも現実は非情で、むしろ失敗することばかり。
そうなると、根拠の質を高め、量を増やせば増やす程、しくじった時のダメージは計り知れないものがあります。
それまであった自信が音を立てて崩れ、もう一度挑戦しようという気にもならなくなります。
そうであるなら、根拠はほどほどにして、根拠のない自信を持って臨む事が、自分の人生にとっていかに重要かということが分かります。
「赤は赤としてしか生きられない。」
「根拠のない自信を持ちなさい。」
「賢く飼い慣らそうとすると、人生が面白くなくなる。」
この言葉は、悩める多くの人に限りない勇気を与える力強い名言であると、私は確信したのです。