先日ワイドナショーというテレビ番組を観ていた時に、ゲストのバカリズムさんがテレビ業界とネット業界との関係性について問題提起されていました。
ここ何年かで、ネット配信番組が急拡大して、テレビ番組を脅かす存在になってきているとの声を挙げる人達が増えてきた。
そう感じてしまう原因はいろいろあるのでしょう。
巷でよく聞くのは、「テレビ番組が昔と比べて面白く無くなってしまった」という言葉。
バカリズムさんは、本当にそうなのかと皆に問われます。
むしろ昔に比べ、洗練されて面白くなっているのではと、言われます。
問題なのは、テレビ業界関係者がテレビ限界説のような悲観論を自ら作ってしまっていること。
テレビはテレビで良いところはあるはずなのに、ネットを過剰に意識して、身動きが取れなくなっているのではと言われます。
その後、ダウンタウンの松本人志さんが、こう言われます。
まずは、テレビ業界が視聴者から主導権を取り戻す動きをしなくてはいけない。
現在、ネットは新しいルールを作る側だけれど、テレビはルールを守ることばかりに頭を使っている。
テレビ業界は、今、法定速度よりもはるかに低い安全運転をしていると思う。
もっとルールのギリギリを攻めるところが、今はテレビの面白さがあるのではないかと、コメントをされていました。
私は、テレビ業界とネット業界の優劣の話をしたいわけではありません。
この時、書籍で「作る側」と「守る側」という表現をされていた人物のことをふと思い出したのです。
それは、元グーグルで人材開発を担当されていたピョートル・フェリークス・グジバチさんの「ニューエリート」です。
これからは、オールドエリートは廃れ、ニューエリートが活躍する世の中になっていくであろうと言われます。
それぞれの特徴を挙げます。
オールドエリートの6つの特徴
・欲深い
・地位に拘る
・計画主義的な行動
・閉鎖的・差別的対人関係
・既存のルールを守ることを重視
・誇示的な消費行動
ニューエリートの6つの特徴
・利他主義的な性質
・インパクト・社会貢献に拘る
・学習主義的な行動
・コミュニティ作りを意識したオープンな対人関係
・新しい原則を作ることを重視
・ミニマリズムな消費行動
それぞれの5つ目に注目です。
「既存のルールを守ることを重視」・・・オールドエリート
「新しい原則を作ることを重視」・・・ニューエリート
改めて振り返ると、見えてくるものがあります。
・ルールを守るのは、日本人が得意そう。
・ルールを作るのは、アメリカ人が得意そう。
私はアメリカ人の友達はいませんし、本当にそうであるかは断言できません。
日本人は誰かが一度決めた規定や規則を何としても守り抜く気質みたいなものが強いのではないかと思うのです。
一方、アメリカは多民族国家ですから、異質なものを受け入れやすいし、自己主張が美徳とされることも影響しているように思います。
あくまでも、全体的にみた私の主観であり、人によって異なる場合もあると思いますが。
私が事務系の仕事をしているから、特にそう感じてしまうのかもしれません。
また、私の周囲にいる人がたまたま、そうであるのかもしれません。
でも、やり方を根本的に変えようという人はほとんどいません。
それよりも、「これを変えると〇〇さんが困る~」とか「監査法人のためにこれをしなければならない」とかの声が多いのです。
「ルールを作る」よりも「ルールを守る」ほうが楽なのかもしれません。
しかし、「ルールを守る」よりも「ルールを作る」ほうが楽しいのではないでしょうか。
文化や気質ばかりのせいにせず、既存の秩序を変える勇気を持ち、周囲に変化を与えられる存在でいたい、そのように感じた次第です。