少し前ですが、とあるきっかけから、企業の教育研修等で使用されているという「サブパーソナリティ・トランプ」、通称SPトランプというものを試しにやる機会がありました。
ここでいう、「サブ・パーソナリティ」とは自身や他者の人格を形成しているキャラクターを指します。
海外の心理学者の理論をベースに、人間の持つさまざまな面を取り上げて、キャラクター化し、ニックネームを付けて、52枚のトランプにしたというもの。
なぜ企業の教育研修や採用関連等で使用されるかというと、自分が大切だと思うトランプを選択することで、自分の性格の特徴、強み、弱み、成長課題が顕在化するからです。
自分の強みや弱みを可視化することで、これからのキャリアをどう構築していくのかを自分で考える有効なツールというわけです。
もちろん、やる時期やその時の精神状態に左右もされるでしょうし、何年か経過してやると、異なる結果が出るかもしれません。
また、採用教育だけでなく、人材配置、カウンセリング、大学のキャリア支援、子育て支援、婚活支援など、多岐にわたって活用されているそうです。
それでは、この「SPトランプ」を簡単に解説します。
52枚のカードの1枚1枚には、洒落た言い回しをした性格的な特徴を端的に表現した言葉が記されています。
トランプというだけあって、52枚のカードは「エース」「クローバー」「ハート」「ダイヤ」の4つのマークが付いています。
黒色である「エース」と「クローバー」は「論理的」な傾向があることを意味します。
赤色である「ハート」と「ダイヤ」は「感覚的」な傾向があることを意味します。
それに加え、もうひとつの組み合わせで別の意味を持たせます。
「ハート」と「スペード」は「能動的」な性格。
「ダイヤ」と「クローバー」は「受動的」な性格。
こうして概ねトランプのマークに2種類の意味を持たせるのです。
1.スペード ・・・ 「論理的」で「能動的」
2.クローバー ・・・ 「論理的」で「受動的」
3.ハート ・・・ 「感覚的」で「能動的」
4.ダイヤ ・・・ 「感覚的」で「受動的」
1枚のカードを例にとります。
「情熱」カードは「ハート」です。
それは「感覚的」で「能動的」という意味です。
実は、この4つのマークにはさらに詳細な意味が箇条書きで記されています。
徹底的に分析したい方は、これも理解したほうがいいのですが、ざっくり自分の特徴を知りたいだけなら、上記の情報で十分なはずです。
ある人が、52枚のカードから自分にとって存在感の大きいものを10枚選んだとします。
「ハート」が多いなら、理屈でなく気持ちを重視して、自ら積極的に行動する傾向が強い人といえます。
こうしたマークの大小によって、自己の特徴、他者の特徴、他者との関係性、他者への効果的な対応方法等を、知る事ができるのです。
それでは、私が実際に選択した10枚のカードをご紹介しましょう。
1.私
情熱家 ・・・ ハート
おおらか ・・・ ハート
楽観的 ・・・ ハート
アバウト ・・・ ハート
人情家 ・・・ ダイヤ
のんびり ・・・ ダイヤ
お人好し ・・・ ダイヤ
白黒はっきり ・・・ スペード
だんどり屋 ・・・ スペード
言い訳 ・・・ クローバー
結果から判断すると、私は比較的「感覚」を重視して、やや「能動的」に行動する傾向があることが読み取れます。
私がこれをして「う~ん、なるほど!」と妙に納得してしまったことから、自分の子供にさせてみたくなりました。
これは基本、成人以上を想定したものと推察します。
しかし、ある程度説明をして、小学生と中学生の息子に選択させたのです。
その結果は次のとおりです。
2.次男
のんびり ・・・ ダイヤ
お人好し ・・・ ダイヤ
損得 ・・・ スペード
負けず嫌い ・・・ スペード
白黒はっきり ・・・ スペード
がまん ・・・ クローバー
真面目 ・・・ クローバー
慎重 ・・・ クローバー
心配屋 ・・・ クローバー
冷静 ・・・ クローバー
次男の面白いところは、「能動的」であり「感覚的」なハートが1枚もないことです。
「感覚的」なものは、受け身の「のんびり」「お人好し」の2枚だけです。
3.三男
お調子者 ・・・ ハート
チャレンジャー ・・・ ハート
アバウト ・・・ ハート
のんびり ・・・ ダイヤ
周りが気になる ・・・ ダイヤ
さみしがり ・・・ ダイヤ
負けず嫌い ・・・ スペード
言い訳 ・・・ クローバー
慎重派 ・・・ クローバー
小心者 ・・・ クローバー
三男の特徴は、自ら論理思考的に物事を進めることは好きではないということです。
私がこれを見てわかったことは、次の2つです。
1.自分の息子は非常に正直者であること。
2.自分の息子は、自分のことをきちんと理解しているということ。
普通、「お調子者」や「小心者」なんて自分の価値を下げるようなトランプは、最初から敬遠するのではないのでしょうか。
「お人好し」と「白黒はっきり」、「チャレンジャー」と「小心者」は一見、逆のことを指しているようで、矛盾があるのではと思われるかもしれません。
これは全く矛盾ではないことは、父親である私が証明します(笑)
誰しも「今のありのままの自分」と「こうありたい自分」が併存して、それが対極の場合もあるはずなのです。
3人の特徴を端的に言えば、次のようなことです。
私は、感覚を大切にしたいと思っている大人。
次男は、受け身的な論理思考派であるが、実は穏やかで優しい子供。
三男は、自分の感情を素直に受け入れた人間味あふれる子供。
これを分析してどうのこうの言うつもりはありません。
息子たちは、親の心配をよそに、格好を付けず、まっすぐに育ってくれているのではないか。
これがわかっただけでもこのSPトランプを知ること自体が、私にとって大きな収穫だったのです。