本日は、
でお伝えしていました一部の内容を少しだけ掘り下げてみたいと思います。
日本人は集団で一斉に手のひらを返す態度を取ることがあります。
その要因として、次の3つが挙げられていました。
1.権威主義
2.集団の和
3.徳治主義
今号は、「権威主義」と「組織の在り方」にフォーカスしたいと思います。
今、この「権威主義」が日本企業の成長の足かせになっているのではないかといわれているのです。
少し前ですが、池上彰さんの解説で、これからの会社組織の在り方を考えるという内容のテレビ番組ありましたので、その内容とともに私の考えるところをお伝えできればと思います。
戦後の復興期から高度経済成長にかけて、日本のピラミッド型組織が威力を発揮しました。
一般的には、社長を頂点に、部長、課長、係長、一般社員、パートタイマーという順の上意下達の組織です。
この組織形態は、人々が生活力向上を目指し、車や家電製品などを購入するなどして、景気が上昇している局面では非常に有効でした。
モノがたくさん売れる時代には機能していたのです。
しかし、生活に必要なモノが次第に満たされていくと、たとえ機能アップした新製品が発売されたとしても、 多少のバージョンアップ程度では目新しさも失われ、次第に購入されなくなります。
さらに、技術の進歩によって、これまで別々の製品が1台に集約されるという現象が起こりました。
そうです、アップルのアイフォーンに代表されるスマホの登場です。
手のひらに複数の製品が載るのです。
パソコン、音楽プレーヤー、カメラ、ボイスレコーダー、電子手帳、カーナビなどの製品を次々取り込んでいきました。
スマホの登場で、それまで売れていたものが、どんどん売れなくなります。
こうしてモノは多品種少量生産化していきます。
そして現在はどうなっているでしょうか。
見渡せば、「モノ消費」よりも、体験やサービスという付加価値を求める「コト消費」が増えてきているのではないでしょうか。
そうした新しい価値を生み出すには、日本のピラミッド型組織では難しいと言われる方がいらっしゃいます。
過去にGoogle社で人材開発を担っておられたピョートル・フェリクス・グジバジさんです。
ピョートルさんについては、以前にブログで紹介させていただきました。
第48号 池上彰さんから「良い質問ですね!」と言ってもらうためには
この日本のピラミッド型組織は、日本経済を滅ぼすことになるだろうとまでいわれます。
また、そもそもピラミッドはお墓、そんなピラミッドの中で働く人は、「死体」も同じである、との大胆発言も。
ピラミッドがお墓かどうかは諸説があるようですが。
さて、バブル期には、日本企業が世界の時価総額ランキングの上位を占めていたのでいたのですが、今やGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)など外国勢が上位を占め、日本はトヨタが下の方に少し顔を出しているような状態です。
昔と比べて売れるもの、消費者が求めるものが変わってしまったのです。
ではこれからどうすれば良いのか。
それはいかに目を引くアイデアを出し、早く商品化することができるかどうかといわれています。
それを実現可能にする組織形態をとっている会社があります。
Facebook社です。
番組では、カルフォルニア州サンフランシスコにある本社で社員がどのような働き方をしているのか実際に取材をしていました。
会社は社員を評価するときに、次の3つのポイントを最重要視するといいます。
1.インパクトのあるアイデア
2. 自分のアイデアにいかに人を巻き込むか
3.他人のアイデアをいかに助けたか
1は言わずもがなですが、2と3は、社員間の相互作用を期待するものですね。
日本がピラミッド型の組織に対し、Facebook社は、マーク・ザッカーバーグCEOをトップに残り全員平社員になっているそうです。
ただし、適任と思われる社員をコーチという役職に任命することがあるとのことです。
それは、社員に命令をしたり、管理したりすることはしません。
チーム編成時に、社員同志が円滑に働けるようにサポートするいう潤滑油的な役割を担うのです。
その評価方法も半期ごとに関係者(チーム)で360度評価をするとのこと。
コーチもチームの社員から評価されるのです。
仕事中でも、ノートパソコン片手にいろんな部署の人とおしゃべりができるよういくつもイスやテーブルが社内に設置されています。
そこには、部署の垣根を超えた社員の相乗効果を狙っているのだと思います。
社員が自発的に動くこと。
面白い斬新なアイデアを創り出すこと。
会社はそのために快適な環境を提供することに徹する。
こうした仕組みは全て日本に上手く馴染むかわかりませんが、取り入れる要素は多分にあるのではないでしょうか。
資源の少ない、少子高齢化が急速に進む日本は、会社組織の在り方も含め、いずれ大きな転換をしなければならない時がくるかもしれません。