数か月前のことですが、初めて家族全員揃って映画館に行ったのです。
そこは、音に包まれる感覚が味わえるという次世代音響「ドルビーアトモス」に対応した映画館でした。
結構費用が掛かりましたが、プレミアムシートを全員分予約して、王様気分でゆったり鑑賞していました。
その映画のタイトルは「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」です。
娯楽映画として家族みんなが楽しめるのがウリの作品でした。
そして、つい先日BSでこの作品のパート1である1995年公開の「ジュマンジ」が放送されていたのです。
私は、今から20年以上も前に、レンタルビデオで1度見た以来です。
出演者は誰だっけ、最後はどうなったのかなど、うろ覚えです。
始めるとゴールするまで続けざるを得ないという災いを引き起こすボードゲームを中心とした話です。
そして、その録画をまたもや、三男と一緒に観たのです。
一度ご覧になられた方は、納得していただけると思うのですが、バック・トゥ・ザ・フューチャーのように、過去の話になったり、未来の話になったり、時間軸の繋がりがあります。
最後は、危機一髪で主人公役がゴールして、ハッピーエンドに向かいます。
結果的にボードゲームを最後までやり遂げたことで、辛い痛ましい過去が望ましい明るい未来に変わるのです。
喧嘩別れして父親の死に目に会えなかった主人公が深い後悔を胸に刻んだことで、父親のありがたさ、大切さを感じるシーンがあります。
むしろボードゲームはおまけで、親子の絆の大切さを表現するための映画であるということが、この時わかりました。
しかし、うちの息子は、未来が変わっていることも理解できず、「この人は誰の子供?」とか、トンチンカンな質問ばかりしてくるのです。
挙げ句の果てには、「もうパパの説明がわかりにくいんや、もう一回最初から観よう」と泣き出す始末。
なんて理解力のない息子なんだ。
この映画の肝心な部分が全く理解できていないと、半ば呆れていました。
しかし、そう思うのと同時に、ふと疑問が湧きました。
今から20年前なら自分は何歳だったのか。
当然今の息子より遥かに上回る年齢でした。
なのに記憶に残っていたのは、ボードゲームの罰で、ライオンや象に追いかけ回されていたことだけです。
主人公があの名作「今を生きる」のロビン・ウィリアムズだったなんて、全く覚えていませんでした。
また、親子関係を題材にしていたなんて、全く知りませんでした。
当時この映画を観た自分は、本当にこの映画を理解していたのだろうか。
息子の理解不足を嘆いていたけれど、登場人物の親子関係が過去と未来でどう変化していたか、自分は気づいていたのだろうか。
ひょっとして、自分も息子も、理解度はそんなに差はなかったのでは、と思うようになってきたのです。
今、自分は息子よりも長く生きているし、彼より知っていることが多いのは当然のこと。
わかったフリをしていたかもしれない自分より、わからないことを正直に訴える息子の方が、立派ではないか。
自分の息子をバカにするのは、過去の自分をバカにしているのと同じことではないか。
映画を観て反省した1日だったのです。
懐かしい映画を何十年ぶりに観ることは、宝探しのようにいろんな発見が出来ると思いました。
こうして、ブログに書いていたら「今を生きる」を観たくなってきました。
皆さんも、随分と前に観た映画、お試しになられてはいかがでしょうか。