このホームページのトップでお伝えしていますが、このブログでは、人生100年時代を豊かに生き抜くための知恵、考え方をいろんな切り口で情報発信しています。
そのため、こうしたキーワードが入った番組、書籍、講演などを見聞きすると、私がここ数か月間、敏感に反応するようになりました。
そういうこともあり、NHKスペシャルで2回にわたって放送されました「人生100年時代を生きる」を最近録画視聴しました。
~第一回 終の住処はどこに~
~第二回 命の終わり方と向き合う~
たまたま、一番下の小学生の息子と一緒に視聴したのですが、そこで深く考えさせられたことがありましたので、そのことについてご紹介させていただきます。
今号は~第一回 終の住処はどこに~を中心にお伝えさせていただきます。
公的な「特別養護老人ホーム」の待機者が急増する中、軽度の要介護者の受け皿として民間が運営する「サービス付き高齢者向け住宅サービス」(略称:サ高住)にスポットが当てられます。
高齢者急増対策の切り札として登場した「サ高住」ですが、想定外の事態が起こり、事業継続に苦しんでいる様子が紹介されていました。
慢性的な赤字から脱出するため、入居者の選別をするという苦渋の決断をしなければならない現状が「サ高住」にはあります。
「サ高住」の収支の柱は、次の2つ。
・入居者が支払う料金
・介護報酬
この介護報酬の特徴は、要介護度が高ければ、運営事業者に支払われる介護報酬は高く、要介護度低ければ、介護報酬は低いというものです。
ここで問題となってきたのが、要介護度の低い認知症患者です。
幻覚の症状が表れたり、徘徊をしたりすることがあり、介助者の手がかなり取られる事態が頻発しているといいます。
時間も手間も人一倍かかるのに、介護報酬が低いがゆえに、収支のバランスが取れず、廃業に追い込まれる事業者も少なくないとか。
介護報酬という現在の仕組みが、「望む入居者」と「望まれない入居者」を結果的に生み出してしまったという現実もそこにあるのです。
ここで経営者のリアルな本音が語られていました。
「認知症患者でない要介護度の低い高齢者、または寝たきりの高齢者なら優先的に受け入れたい。」
つまり、手がかかりにくい高齢者なら歓迎しますということなのです。
自分で動き回る比較的身体が元気な認知症の高齢者が入居希望しても、「今は満室です」と嘘を言わざるを得ないのが現状とのことです。
認知症になるのが悪いとでも言うのでしょうか!
しばしば徘徊をしてしまう要介護度の低い認知症を患っている一人の男性の呟いた一言が重く私の心にのしかかってきたのです。
「いつまでも生きているのは、やはりおかしいと思う。」
「でも、何も悪いことをしたわげじゃないけど・・・」
辛い葛藤を抱えながら、生きながらえていることがはっきりとわかります。
人生100年時代を生きるということの一つの側面。
こうした現実を直視して、では自分はどうするのか、どうしたいのか、第一回を見終わった後、そんなことを考えている自分がいました。
その横では、三男が「パパ、人生100年時代って好きやな~」と半ば呆れられてましたが・・・
第二回を次号で紹介するとともに、決意したこと、息子に伝えたことを紹介させていただきます。