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第61号 他人のことばかり気になるのは、自分の人生をどうでもいいと思っているのかもしれない

 

以前、私がとある勉強会で知り合いになった方に、「この本はすごい、ぜひ読んだほうがいい」と強く勧めていただいた本がありました。

 

それは、ナポレオンヒルの成功の哲学と呼ばれる本でした。

 

これまで聞いたことありましたが、なんか仰々しいような気がして、敬遠していたのかもしれません。

 

しかし、その知り合いが成功のための必要なすべての要素が入っていると絶賛するので、少し悩みましたが購入してみることにしました。

 

そして、1/3ほど読んだのですが、どうも私にはピンとこない。

 

ぐっと、胸をつかまれるような感覚がなかったのです。

 

そして、結局その本はブックオフに売る羽目になりました。

 

ちゃんと読みもせず、断念して売ってしまうことに、後ろめたさのようなものを少し感じていました。

 

しかし、経営コンサルタントである藤井孝一さんの著書に書かれていた言葉が、私を後押ししてくれました。

 

人はとかく、本を読み始めたら、最後まで読まないとダメであるという思い込みが強い。

 

自分にとってこの部分は不要と思えたなら、完全に読み飛ばしても一向に構わないと。

 

また、多読家で知られる明治大学教授の齋藤孝先生も、本を丁寧に最後まで読むという呪縛から自分を解き放たなければならないとも言われています。

 

響かないのであれば、今の自分には必要ないと、切り捨ててしまってもいいと言われるのです。

 

お二人の力強いお言葉に支えられ、古典的ベストセラーを、ブックオフに気持ちよく葬り去りました。(笑)

 

そうは言っても、私の中で心に残った言葉が二つありました。

 

ひとつは「人が不幸になることの多くは、他人の人生ばかりに干渉してしまい、自分自身の人生のための努力を怠ること。」です。

 

他人のことばかり気になるのは、自分の人生に興味が失われている状態とも言えます。

 

はっきりと言えば、人生を半ばどうでもいいと思っているのかもしれません。

 

少し厳しい言い方になってしまったでしょうか。

 

自分のことを棚に上げ、とにかく他人のことをどうのこうの言いたがる人は、常にベクトルが外向きに作用します。

 

そこばかりに力を使うので、内向きの分が足りなくなるのです。

 

よく自分の話よりも、他人の話に花を咲かせることが楽しい人は、そうした傾向があるのではないでしょうか。

 

やはり、自分はどうしたい。

 

そのためには、何から始めればいい。

 

いつか、こうなったら嬉しい。

 

こうした思いを本気で追及する人は、他の人がどうであっても、自分と比較して喜んだり、落ち込んだりすることは、ほとんどないような気がします。

 

そんなことにパワーを使う時間はもったいない。

 

不幸にならないためにも、自分のために、もっと時間を使いましょう、そういうことではないでしょうか。

 

ナポレオンヒルから私が学んだことは極端に少ないですが、もうひとつあります。

 

「あなたの主人はあなたの心だけ。」です。

 

これについては、中国の古典を引用して一緒にお話ししたく、次号で紹介させていただきます。