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第55号 「ひふみ投信全国ありがとうキャラバン」から考えさせられること

 

レオスキャピタルワークスという日本にある独立系資産運用会社をご存知でしょうか。

 

ひふみ投信、ひふみプラス、ひふみ年金。

 

同社が資産運用している投資信託です。

 

お金の投資に興味がない方は、全くご存知ないかもしれませんが。

 

先日、とある関係から、この会社が広報活動の一環で定期的に開催している「ひふみ投信全国ありがとうキャラバン」というイベントに参加してまいりました。

 

実は、私は少し前から投資信託をいくつかしており、レオスもその中の一つです。

 

自分がお金を託している会社のことをきちんと知っておきたいと思い、初めて参加させていただきました。

 

最初に担当者からこのイベントの趣旨説明がありました。

 

このありがとうキャラバンはレオスの職員総出で、投資の大切さ、会社のPR、レオスに投資していただいているお客様に感謝を伝えるために、一年を掛けて全国を回っているとのことです。

 

現在社員は70名程度。

 

取り扱っている資産運用額は約9300憶円。

 

こうした説明が始まる少し前に、7分程度の会社PRビデオをスクリーンに映し出されました。

 

レオスの職員が日々、奮闘している様子をコンパクトにまとめたビデオなのですが、このビデオの監修をテレビ東京系列のカンブリア宮殿のプロデューサーが担当されたとかで、洗練された仕上がりだったと思います。

 

このビデオはネットにアップロードされていましたが、こうした情報はこういう所で知ることになるんだなと妙に納得しました。

 

ひふみ投信10周年記念コンセプトムービー

 

トータル1時間30分程度の説明会でしたが、私が印象に残った点だけ、お伝えさせていただきます。

 

全体の中で、特に示唆に富む内容だったのが、買った後の対応についてでした。

 

個人がある銘柄の株を購入すると、上がるにしろ、下がるにしろ、必ず基準にして比較してしまうものがあります。

 

それは、買い付け価格、購入時点の価格です。

 

私も当然そうなのですが、購入金額より高ければ嬉しいですし、購入金額より低くなっているとがっかりしてしまいます。

 

でも担当の方はこう言われるのです。

 

買った値段は忘れるのだと。

 

当然忘れるというのは比喩的な表現であったと理解しています。

 

なにせ、自分が本当に忘れたとしても、コンピューターがしっかり記憶しているのですから、簡単に見ることができるはずです。

 

株を購入する時の鉄則というのを皆さんご存知でしょうか?

 

それは、株は安い時に買って、高い時に売るです!!

 

皆さん知っていました?

 

それわざわざ言うこと、という突っ込みを受けそうですね。

 

しかし、現実的にこれができない人間が大多数なんだそうです。

 

分かりやすい例がリーマンショックです。

 

今、日経平均は2万円以上常にキープしていますが、リーマンショック時は、一時7千円の時があったのです。

 

でもどんどん下がっていくと、これ以上損をしたくないという心理が働き、高値で買った株を安値で売り払ってしまう人が多いのです。

 

こうした局面で有り金全部を投入する、これが一番儲かるようです。

 

これは、少し極端な言い方かもしれません。

 

正確に言えば、〇〇ショックと呼ばれるものは、良い会社も悪い会社も同様に著しく値を下げる効果があるから、その時に良い会社の株をできるだけ割安で購入するというのがポイント。

 

〇〇ショックと言われるものを、チャンスと捉えるんですね。

 

それを実行するには、ただ単に良い会社=業績の良い会社を知っているだけではなく、その時の株価に対して割安かという確かな判断ができる分析力があるかどうかにかかってきます。

 

また、その逆の場合はどうか。

 

つまり、株が上がりすぎた時の対応です。

 

それは、一部だけ売却して一定の利益を出し、残りはそのままにしておく。

 

全部は売らないとのこと。

 

こうして全体で右肩上がりの利益を目指していくのだそうです。

 

次に、レオスはどんな会社に投資しているのか、説明がありました。

 

次の4つの項目を挙げられました。

 

①ビジョン、ミッション

経営者が自らの言葉でこれからの会社の将来を語れるかということ。

 

②オーナーシップ

経営者は自社株を持ち、従業員は当事者意識を持って仕事に取り組んでいるか。

 

③インセンティブ

利益を従業員に賃上げや福利厚生の充実等で還元しているか。

 

④コンスタントな収益

文字通り、安定的に収益が出ているか。

 

文字にすれば、ふーんと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、説明後の質疑応答などでそれらの意味するところの本質みたいなものが浮かび上がってきたりして、私にとってはとても学びになることがあったのです。

 

特にここでは、ビジョン、ミッションについて、経営者の在り方を問われていました。

 

例として挙げられたのが、会社のトップがホームページ上で写真を掲載していないケースです。

 

代表の顔をホームページで公開しないのは、真摯に商売に向き合っていない可能性があるとの指摘でした。

 

これについては、代表の藤野英人さんが取材等で次のように述べられています。

 

社長の写真でわかる意外な投資の法則

 

会社を見るということはどういうことか非常に考えさせられます。 

 

私が感心したことは、参加者から質問を受けたレオスの社員の方の対応でした。

 

何よりも真摯に応えられますし、お話しされる内容が一貫性があり、特に藤野英人さんのイズムみたいなものが、浸透しているなと思ったからです。

 

当日4人の社員の方が対応されていましたが、皆さん、”志”と”誇り”を持って仕事をされているなと、深く感心した次第です。