皆さんは、自分にはこれがあって良かったと思えるものとは、どんなものでしょうか?
・汗をかいて働かなくても一生悠々自適に生活できるくらいの資産
・若さや美貌
・他の追随を許さない専門知識
・大切な人
・医師・薬剤師・看護師などの医療系の国家資格
この5つは私が適当にチョイスしたもので、深い意味はありません。
つい先日、小学生の三男と一緒にお風呂に入っていた時のことです。
三男は常に話が唐突で、脈略なく自分の興味を持った話をする癖があります。
三男「パパァ、俺は一番下やから、パパと一緒に居る時間が一番少ないから損や~」
つまり、長男や次男との年齢差分は、私と一緒に過ごせる期間は短いはずだから、長男や次男と比べて損だというわけです。
私「そんなの、長い人生で見たら3年から6年ぐらいしか変わらんだろ。」
三男「年数じゃない、1秒でも惜しいくらいや。」
どこまで本気で言っているのだろうと私は疑っています。
三男「誰でも明日死ぬかもしれないし、それは本当に大事なことなんや。」
こう返してきたので、小学4年生の息子に、きちんと応えてやろうと決めたのです。
私「今、お前は非常に良いことを言った。そうや、偉い人の名言をお前に教えたろ。」
「アイフォンを作った人で、アップルのスティーブジョブズっていう人の言葉や」
私「もし今日が人生最後の日だったら、私は今日していることをしたいと思うだろうか?」
三男「?」
私「もし今日が人生最後の日だったら、私は今日していることをしたいと思うだろうか?」
三男「・・・」
私「もし今日が人生最後の日だったら、私は今日していることをしたいと思うだろうか?」
三男「・・・なんかいい言葉や」
私「7つの習慣っていう本に、終わりを思い描くことから始めるっていう習慣の言葉があるんや」
三男「・・・」
私「自分の最後を思って、今本当に自分がやりたいことは何か考え抜くことが大事なんや」
三男「・・・」
私「明日が最後やったら、今日何する?」
三男「・・・(テレビ)ゲームかな~」
私「ホントにそれがしたいか?」
三男「・・・・・・・・・・警察に捕まるような犯罪がしたい」
私「!!!。なんで?」
三男「普通に生きていたら、捕まえられた人の気持なんかわからんし、捕まったら自分はどんな気持ちなんかな~って」
なぜか少し深い話のような気がして、危うく本筋と離れそうになりましたが、無視して続けます。
私「本当に最後にそれをしたいのか?」
三男「・・・・・・・・・・・・、好きな人に告白する」
私「ええな~、誰かいるのか?」
三男「今はそんなんいいひん」
私「ほんまか~」
三男「・・・・ママに好きって告白して、チューする」
私「ええな~」
という何ともたわいのない、どうでもいい会話。
だから何っ?
って何もありません。
ただ、自分には家族が居てくれて良かったと心から思えた、それだけです。
今はきちんとした意味がわからなくても、なんとなくでもいいから、若い時から心に刻んでほしい言葉があるのです。
全部をわかってくれなんて思っていません。
いつか、あの時の父親の言葉は、こういうことだったのか、自分なりの理解をして、思い返してくれるだけでいいのです。
私が以前、新入社員研修を担当していた時に、彼らに向けていつかなるであろうリーダーのあるべき姿について、こんなことを言ったのです。
「リーダーは自分の仕事をゼロにしていくのが仕事!」
そして歳月が流れ、この新入社員の内の1人と10年ぶりに別の形で再会したのです。
すると彼から、それこそ唐突に言うのです。
「研修の時、〇〇さんが言われたことが、その時はあまり理解できずにいたんですけれど、今頃になってきて、ようやく〇〇さんの言葉の意味がわかってきました。」
と嬉しい言葉をいただきました。
そう、いつかわかる時がくるかもしれない。
自分がしなければならない仕事をどんどんなくしていく、つまり自分がいなくても回る組織にする。
自ら仕事をなくした人には、別の大きな仕事を任せたいといった声も掛かる。
そういうことがわかった瞬間の腹落ち感というのは、半端ないはずです。
息子もこのようなことをいつか言ってくれるのかな。
そう思うと楽しみでならないのです。