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第53号 なんとなく気が乗らない仕事を頼まれた時は・・・

 

先日、勤務先で仕事を始めてからしばらくして、本社から私に電話がありました。

 

私が勤務している事業所敷地内の植え込みに、かなり雑草が伸びている場所があるのを以前視察に来られた役員が見つけられたとのこと。

 

ついては、そちらで手入れして欲しいとの依頼でした。

 

さて、誰がその役回りをするのか。

 

あれこれ考えても、これは誰の仕事というものでもない。


是非やりたいという仕事ではないけれども、今なら私がやればいいかと思い、ビニール袋を持ち、軍手をはめて1人でその場所に向かいました。

 

見ると、なかなか広範囲で生い茂っており、1人でやると1時間以上はかかりそうです。

 

目の前の状態を見て、さてどうしようかと考えます。

 

ヘルプを求めて数人で一気にやっつけてしまうのがいいかも、という考えも少し浮かんだのですが、結局1人でやることに決めました。

 

開始してから僅か5分くらいで徐々にやる気が低下してくるのがわかります。

 

やりたい仕事ではないので、飽きてくるのです。

 

これまでいろんな本、ビジネス雑誌、セミナー、勉強会に参加しているのだから、こういう時にこそ使えそうなものはないか、一度手を止め、考えを巡らせたのです。

 

私はまず、作業完了したときの光景を思い浮かべました。

 

雑草を抜き、それを用意したゴミ袋に詰めて、きれいになった植え込みと一緒に撮影した写真を、上司と本社に報告を兼ねて送信する。

 

作業単位で終わりを思い描くことから始めたのです。

 

そして、すでにちょっと疲れが出てきていましたが、ここで考え方を大きく変えようと決めたのです。

 

手で雑草を引っこ抜く時には、少しパワーが必要になります。

 

私は週1日以上のペースで、筋トレとランニングをやっています。

 

これも筋力アップのためのトレーニングを形を変えてやっていると置き換えたのです。

 

現在AM11:00、正午までに完了させれば、昼ご飯が美味しくなるかも、そう思うようにすると、1人でも嫌にならずに続けることができるようになったのです。

 

ENDを決めるとともに、自分のメリットにつながるよう仕向けたのです。

 

さらに、ホウキと塵取りを持ってきて、周辺も清掃するのです。

 

そうすると、繰り返しの単調な作業になりません。


いわゆるやっつけ仕事にしないのです。

 

嫌々やると、どうしてもいろんなところにほころびみたいなものが出ます。

 

仕上がりが雑になり、折角やったのに残念、みたいなことになってしまうのです。

 

振り返ると、私は今回、ここが一番の肝であったと感じています。

 

最後の最後をきちんと締めくくる。

 

自分が1人で最後まで責任を持ってやったと言える状態にもっていく。

 

メールで作業完了報告後、上司からもねぎらいの言葉をいただきましたし、作業開始前の気持ちとは全く違うものになっていました。

 

私は社会人になってから、少し前まで学びというものにほとんど触れてきていませんでした。

 

もし少し前の状態でこの仕事をしていたら、私はどういう気持ちで、どんな仕上がりになっていたのだろうかと考えてしまいます。

 

「何故私だけが、こんな仕事を・・・」

 

「もっと生産性の高い仕事をするべきなのに・・・」

 

「こんなことは、私より時給単価の低い人がするべきだ」

 

「もうここまでやったから、これで十分、後はまた別の人間がやるだろう」

 

不思議なことに、私はこんなことを考えもしませんでした。

 

私の現在の金の糸(キャリアのテーマ)は「ネガティブ・アクション」なのに、かなりポジティブ・アクションになっているようです。

 

私の場合、自分のネガティブな感情を強く意識することで、行動に移すことがさほど苦にならなくなっていたのでした。

 

今回、行動、つまり、まずはやってみる、それから考えたことが、ポジティブな感情を生み出しているのだと気付いたのです。

 

何となく気が乗らない仕事を頼まれたときの私の対処法はコレでした。

 

時間を置かずに 、まずやってみる。

 

初めに終わりの状態をイメージする。

 

多少強引でもいいので自分のメリットにつなげる。

 

時間、やり方などを工夫してゲーム感覚でやる。

 

最後の最後をきちんと締める。

 

さて、皆さんならどのように対処されますか?