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第51号 金の糸見つけました

 

お笑いタレントのAMEMIYAさんの「冷やし中華はじめました」のようなタイトルで始まりました。

 

ご存じない方がほとんどだと思いますので、少し説明させて下さい。

 

昨日、国家資格キャリアコンサルタント更新講習を受講してきました。

 

午前の部と午後の部で別々の研修でしたが、私は両方を受講しました。

 

午前はキャリアカウンセリングのメカニズムと条件(入門編)を学びました。

 

主に、キャリアカウンセリングのロールプレイを中心とした演習です。

 

カウンセリングをする側、受ける側、それを客観的に見てフィードバックする側で、役割を交代しながら演じます。

 

これまでロールプレイは研修で何回かしてはいるのですが、毎回何かの気付きが得られるのです。

 

自分としてはクライエントの悩みに大きく関連する問い掛けをしたつもりでいても、後でオブザーバーから、「さっきの問い掛けは、クライエントからすれば唐突感が強かったのでは?」と指摘されると、確かに自分でもその通りだと思うのです。

 

本当にこれは言われないと自分ではなかなか気付かないことなんです。

 

しかし、実際のキャリアカウンセリングは、キャリアコンサルタントとクライエントの2人だけです。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

 

キャリアコンサルタントは、どういう意識でカウンセリングに臨めば良いのか、研修講師からは非常に良いアドバイスをいただきました。

 

端的に言えば、「自分を俯瞰してみる意識を持つ」です。

 

例えて言うなら、もう1人の自分があたかも幽体離脱して、2人を上方から俯瞰的に眺めているような様子。

 

凄く納得の一言です。

 

言うは易しですが、今後は、これを意識して望みたいものです。

 

そして、午後からは、自分の金の糸と呼ばれるものを、すごろくボードを用いて、過去の経験をチームメンバーで語り合いながら自己探索するという面白そうなゲームです。

 

金の糸とは、自分らしさを象徴する経験の繋がり、別の言い方をすれば、自分自身のキャリアのテーマです。

 

これを探すためのゲームなのです。

 

「大の大人が、すごろく人生ゲーム?」と侮るなかれ!

 

私は男性2名、女性2名のグループでした。

 

順にサイコロを振り、止まったところで、指示される内容をメンバーが語るというもの。

そのすごろくは、タイトルに学生版と付いており、小学生から大学生までの経験について振り返るようにできています。

 

・好きな教科は?

 

・憧れていた人は?

 

・お気に入りの本や映画は?

 

・打ち込んでいたことは?

 

小学生から始まり、大学生まで進めるのですが、結構な時間を掛けたものの、結果的に中学生の途中までしかたどり着けませんでした。

 

私以外の3名は、かなりきちんとされた家庭環境で、学校生活に真面目に取り組まれておられた方々でした。

 

その証拠に、皆さん理由を付けて好きな教科を述べられるのです。

 

解なしは、私だけです。

 

でも本当にどの教科も好きになれなかったのです。

 

難しそうないろんな事を覚えて、なんの役に立つのだろう、本当に意味がある事なんだろうか。

当時は頭を使い、考えるのことが苦手で嫌だったんです。

 

勉強だけでなく、両親の仕事や家庭環境についても、私1人だけ随分ネガティブなコメントを連発していました。

 

1人だけ浮くような感じになっている事に、苦笑していた自分がいました。

 

「でも本当の事だしな」と、臆せずに語り続けていたのです。

 

そして、「中学生時代に打ち込んだ事」を言うことになったのです。

 

打ち込んだ事?

 

ない!?

 

また、ない!

 

でも、本当に無いんです。

 

思い返しても、何となくダラダラと、イヤイヤ何かをしていた記憶しかないのです。

 

唯一イヤイヤしていなかった事は、布団に寝転び、350ml缶のコカコーラを飲みながら、ポテトチップスコンソメパンチを頬張り、車田正美のリングにかけろを何度も読み返していたことぐらいです。(汗)

 

あの頃、自分は何に打ち込んでいたのだろうか。

 

この時数十年振りに、子供の時に打ち込んだ事について熟考したのです。

 

そして絞り出すように出てきた答えは、次のようなものでした。

 

中途半端にいろんな習い事をし、月謝を無駄に使っただけであったけれども、それはひょっとして、自分が本当に好きな事を見つけるために取り組んだ過程の一つに過ぎなかったのではないか。

 

これまで、こんな風に考えた事は一度もありませんでした。

 

でも今、この歳になって、自分が好きな事、得意としている事がおぼろげながら見えてきたように思えるのです。

 

長い長い時間を掛けて、このネガティブな経験が結果的に数々の行動に繋がっていたような気がしてきたのです。

 

そう言えば、ここ数年を振り返ると、自分の後悔や失敗が、何らかの形で間違いなくその後に活かされているという実感があるのです。

 

あながち、ネガティブに考えていたことも、悪いことばかりではなかったようだと変に納得した自分がいました。

 

そして、ついに金の糸と呼べるような自身のキャリアテーマを端的に表すワードが、ふと目の前に降臨したのです。

 

それが「ネガティブ・アクション」です。

 

実はこう見えて(誰も見てもらってませんが・・・)昔からネガティブに捉える傾向のある人なのです。

 

自己肯定感が高くはありません。

 

むしろ低いです。

 

ですから、正直に言いますが、私は人から称賛、感謝されると、素直にうれしいのです。

 

さて、最後の総括となり、なぜか私がそのグループの代表として今日学んだことや行動計画を発表することになりました。

 

私は、次のような事を考えて述べました。

 

このゲームは、グループのメンバー全体でラポール形成できていないと効果が十分に現れないと思います。

 

少し言いにくいこと、言ったらみんなにどんな風に思われるのか不安、実はこのようなことこそ、金の糸が隠されているように思うのです。

 

それには、語る人以外の人が、その人が話してもいいと思えるような雰囲気、環境を作ることが何よりも大切であると思います。

 

ちなみに、これは私の意見ではありません。

 

別の女性の方の意見でしたが、凄く説得力のあり、十分すぎるほど私も実感していました。

 

もうひとつは、私の個人的な感想です。

 

実は、この講習には事前課題というものがあり、自分の過去について多岐にわたる設問が数多くあるだけでなく、300文字以上などの字数指定もあり、かなり時間を費やしたのです。

 

その時に、私は随分頭を悩ませながら、過去を振り返っていたはずです。

 

ですから、これ以上何か新しいものが出てくることはないと思い込んでいました。

 

しかし、自分にとってすごく腑に落ちた「ネガティブ・アクション」

 

普通は「ポジティブ・アクション」でしょう。

 

私のネガティブ・アクションは、一般的な定義ではなく、私固有のモノとなっています。

 

私にはこの負の感情が、結果的に自分の行動につながり、少しだけですが自信のようなものに変わってきています。

 

ですから、これを望まない、良くない感情として避けようとするのではなく、これを受け入れ、利用してやろうという気持ちになることで、困難に立ち向かえるようになるのでは、そんな期待を抱かされたのです。

 

私の行動目標は、これをブログに載せること、そして学びの情報発信をこれからも継続していくことです。

 

ちなみに、JCDAの立野了嗣会長の金の糸は「パイオニア」だそうです。

 

これは、一回決めて固定されるものではなく、状況に応じて変化していくものだとも言われます。

 

自分の金の糸が、次に改名される日はいつか、楽しみです。 

 

このようにして、自分にとって多くの気付きを与えてくれた、学びの大きい1日となったのです。