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第44号 普遍的なものには安心感がある

 

皆さん、本はお読みになられますか。

 

私は昔から漫画だけはよく読んでいました。

 

小学・中学生の時は、江戸川乱歩の少年探偵団以外は、全部次のような漫画ばかりでした。。

 

「リングにかけろ」「ゲームセンターあらし」「北斗の拳」「テニスボーイ」「スケバン刑事」「がんばれ元気」「コブラ」「よろしくメカドック」「ジョジョの奇妙な冒険」などなど。

 

これらについて語りなさいと言われれば、100号までこの内容で埋めることができます(笑)

 

私は、社会人になってからもあまりビジネス本を読もうとはしませんでした。

 

読んだらどうなるかというと。

 

すぐに眠くなる。

 

何回読んでも頭に入らない。

 

そもそも興味がないため、全く面白くない。

 

こんな有様でした。

 

しかし、数年前からビジネス本に手を出すようになり。

 

今では、面白いと思うようになってきたのです。

 

これまでブログで紹介してきましたようにスーパー銭湯に行ってもマンガを手にすることは一切なく、持参してきたビジネス本またはビジネス雑誌を読むのが楽しみとなっているのです。

 

これは本当に不思議です。

 

面白いと思えるものが年齢や経験ともに変わってきたのと、出会った人などに影響を受けているのでしょうね。

 

そうした中、私が市の図書館で手に取ったビジネス雑誌プレジデントの最新号は、仕事に役立つビジネス本の特集でした。

 

ランキング形式で著名人がその本の良さをそれぞれ紹介するといったものです。

 

一位 道をひらく 松下幸之助

 

二位 君たちはどう生きるか 吉野源三郎

 

三位 生き方 稲森和夫

 

四位 坂の上の雲 司馬遼太郎

 

五位 嫌われる勇気 岸見一郎 古賀史健

 

ここには、読んだ本もありますし、読んでいない本、途中で挫折した本もあります。

 

読んでいない本については、購入して近いうちに読まなくてはと思いました。

 

「君たちはどう生きるか」は池上彰さんが紹介されていました。

 

この池上解説で、私は人間には復習という行為が大変重要であると強く感じました。

 

池上さんは、ある中学生のクラスでこの本を題材とした授業をされるのですが、その時のエピソードも紹介されているのです。

 

生徒の皆さんは、ナポレオンの偉業や英雄的精神が、著者の戦争賛歌につながっているのではと解釈し、ロシアへの無謀な侵攻で六十万人の兵を失わせたナポレオンに肯定的な意見はなかったようです。

 

この本が書かれたのは、太平洋戦争前の頃です。

 

戦争を直接批判するのは、ご法度の時代。

 

池上さんは、ナポレオンの章を丁寧に読むと、おじさんの手紙を上手く用いて、軍国化する日本を婉曲的に批判していたことがわかると言います。

 

このくだりは、 「読書の学校 100分de名著 池上彰特別授業 君たちはどう生きるか」で丁寧に解説されていました。

 

しかし、同じ内容でも別の表現で、コンパクトにまとまった今回のプレジデントで見ると、すごく理解が進み、腑に落ちるのです。

 

現代は技術の進歩が著しく、新しいものが次から次へと生み出されます。

 

こっちを買ったけど、後から出たあっちのほうがいい。

 

昔の人はああ言うけれど、現代の人はあんな風に言う。

 

油断すると、新しいものにどんどん飛びつくだけで、本当に大切なものは何なんだったんだろうというような感覚にとらわれることがあります。

 

自分が悩んだ時、迷った時、最後にどうするのか決断するのは自分自身です。

 

しかし、それまでに何か助けになるもの、拠り所にしたいものがあるはずです。

 

その一つとなるのが、時代を超えて読み継がれる名著と言われる古典的ビジネス本です。

 

池上さんは、新しい本をどんどん読むことは悪くないけれども、むしろ古典と言われる名著を何度も何度も読むことで、自分の知恵・力になると言われます。

 

今回のランキングでもここ数年で書かれた本は少数で、上位を占めるほとんどが一昔前に出版された本です。

 

そう考えると、人という生き物は、時代に左右されない普遍的なものを常に探し求める生き物だと言い換えることができるのではないでしょうか。

 

将来がなかなか予測できない現代だからこそ、ますますこの普遍的なものに価値が高まり、それが人々のゆるぎない安心につながるのではと感じた次第です。