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第43号 何かを楽しむためには人生そのものを楽しまなくてはならない

 

唐突ですが、私が一番好きなスポーツ選手はサッカーの三浦知良さんです。

 

理由は簡単です。

 

私よりも年上のカズさんがプロサッカー選手として現役で続けておられるからです。

 

私はというと、髪の毛が少し寂しくなり始めるいい年になってきました。

 

体のあちこちが痛い、原因不明のかゆみに襲われるとか、歳を取っても良いことより悪いことのほうが多いんじゃないかなんて、弱気になる機会が増えてきました。

 

ただ、カズさんの最年長ゴールがギネスに認定されたり、トムクルーズが映画で超絶アクションをこなしたりするのを見ると、勇気と元気が湧いてくるのです。

 

年上の彼らがここまでやっているんだ、彼らの1/100、1/1000ぐらいは頑張らないと、彼らに申し訳ないような気持ちにさせられるのです。

 

随分前になりますが、採用業務をしていた時期がありました。


1人で各地区にパソコンを持って、大卒を中心とした会社説明会や一次面接試験を実施していたのです。

 

こうした仕事も初めは学生の前で緊張することもありましたが、幾度となく繰り返していると、自分なりのコツやペースをつかむことができるようになり、気にかかることが別の次元に移っていきました。

 

途中からは、いつもの定型のパワーポイントでの説明だけでなく、どうすれば学生に興味を持って話を聞いてもらえるだろうかと、行きの新幹線の中で1人考えるようになっていました。

 

ある時、日経新聞に掲載されていた三浦知良さんの「サッカー人として」というコラムを見た時にひらめきました。

 

今日のこの記事は会社選びをしている学生に参考になることが載っているので、紹介するのに丁度良い。

 

そして、それからの会社説明会は当日手に入れたほやほやのビジネス情報を組み立てて、学生の聞く態勢を整えてみようと、思い立ったのです。


事前に作りこまれたものを使いまわしているという印象を持たれないようにした訳です。

 

自分としては、手ごたえのようなものがあったと記憶しています。

 

カズさんの著書「やめないよ」では、多くの感動をいただきましたし、自分にとってカズさんは、かなりの影響力がある方なのです。

 

数か月前ですが、日経ビジネスオンラインで、カズさんの記事を見付けました。

 

なぜ51歳になった彼は今も現役にこだわり、燦然と輝き続ける事ができるのか、彼の歴史から考察するというものでした。

 

最も影響を与えたことは、日本がワールドカップ出場を果たしたものの、当時の岡田武史監督から最終メンバーに外されたことだと言います。

 

大きなショックを受けた彼は、欧州から帰国したその日から練習を始めた。 

 

この無念さを晴らすために「やれるところまで選手としてやってやる」

 

この時の悔しさが現役生活を続ける原動力になったのではと言います。 

 

その後、クロアチア・ザグレブというチームでプレーすることを選び、そこでクロアチア代表のDFとして活躍していたゴラン・ユーリッチ選手と出会います。

 

そこで彼から多くのことを学んだのです。

 

「年を取っても情熱は衰えることなく成長できる」

 

「練習や試合以外の時間といった1日1日の過ごし方すべてがサッカー人生に活きる」

 

「サッカーを楽しむためには人生そのものを楽しまなくてはならない」

 

本当に好きなことを楽しみたいという想いがあるのなら、普段の生活で起こる些細な出来事に対しても、感謝の念を持ちながら人生そのものを楽しむ。


そうした過程で好きなことも一層輝きを増していく。 

 

好きなことをとことんやるために、これは本当に大切な心掛けだと思うのです。