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第36号 羽生善治さんのAIについての深い見識やこれからの生き方の極意を学ぶ

 

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、将棋界の羽生善治さんは、将棋だけでなくAIにも造詣が深く、以前NHKスペシャルにてメインパーソナリティとして人工知能を特集した番組に出演されており、またその関連本も出版されています。

 

また、いろんな方と対談をされておられます。

 

その中で私が見聞きした内容を少しご紹介させていただきます。

 

現在シンガポールのIT化の波は凄まじく、国家規模でいろんな新しい取り組みがされています。

 

その一例として、広告的な意味合いもあるようですが、大型ビルにス-パーカーの自動販売機が設置されているのです。


 

嘘みたいな話ですが、私もテレビでしっかりと確認しました。

 

また、スマートフォンを利用して、高齢者の見守り、自動車の交通量の把握、消費者の嗜好などのビックデータを収集し、各種政策に活用しているとか。

 

日本は法律や個人情報といったプライバシーに敏感なところがあり、積極的に新しいものをどん欲に取り入れる風土はないように思われますが、シンガポールは合理主義的な面が強く、良さそうなものであれば、とにかくやってみようという気質が国民にまで広がっているようで、人工知能の実験国家とも呼ばれているのです。

 

世界一快適な国際空港と呼ばれるチャンギ国際空港もシンガポールにあるのです。

 

ここでは、荷物を運ぶロボットも実際に働いているようです。

 

シンガポールといえば、マーライオンぐらいしか思いつかなかった自分が少し恥ずかしくなりました。

 

よく耳にする話ですが、2045年頃には人工知能が人間を上回るというシンギュラリティが起こり、人の職業の半分が消失し、これまでなかった職業が生まれるという説もあります。

 

しかしながら、AIには難しいこと、当面できないことがあるといいます。

 

そして、そこに人間ならではの価値があるのです。

 

進化を続けてもAIには「暗黙知」や「(いい意味での)忖度」などの感情を伴う知性は理解させるのが難しいとのこと。

 

大切なことは、人とAIとのかかわり方であると言うのです。

 

それは、人がAIを脅威としてとらえるのではなく、また依存するという関係でもない。

 

AIは限界があるという認識を持ちながら、人がAIを活用する。

 

つまり、これから少子高齢化を迎える日本にとっては、AIやロボットを活用しながら、生活の一部として違和感のないような関りを作っていくことが大切であるというのです。

 

最後に将棋とAIのお話からなるほどと思ったことを綴ります。

 

現代の将棋は技術面では完全にテクノロジーの世界であり、どんどん新しいものにアップデートされている。

 

現在は瞬く間に過去のものとなるので、その時のはやりをまねするのではなく、自分なりのオリジナルな工夫を加えて対応する。

 

また、自分のスタイルというよりも、現在の流行に自分のスタイルを合わせていくことで、自分の個性を壊さずに、それに合わせていくことで自分をアップデートすることを目指すべきである。

 

これは将棋だけでなく、働き方、生き方にも通ずるところがあるのではないでしょうか。

 

世の中が刻々と変化していく中で、 自分の主義に合わないからといって、デジタル機器を受け入れようとせずに、アナログ一辺倒で貫くことは、否定しませんが、賢明ではないと思います。

 

そういった変化を受け入れながら、自分の個性をその中で活かす働き方、生き方を目指すことが大切だなと、羽生さんから教わった気がします。