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第33号 良いところも、そうでないところも、きちんと見せることで信頼・共感は生まれる

 

私が時々録画をして、気が向いた時に視聴する「情熱大陸」というテレビ番組があります。

 

ほとんどの方が聴かれたことがあると思うのですが、あの葉加瀬太郎作曲のテーマが流れるヤツですね。

 

私は毎週見るほどこの番組が好きというわけではないのですが、つい先日、自分がついつい見てしまう理由がわかり、一人で納得したことがありましたので、そのことをお伝えしたいと思います。

 

最近見たのは、プロゲーマーのトキドさん。

 

この方、東京大学を卒業して、現在プロゲーマーとして国内外で活躍されています。

 

「なぜ東大に行ったのに、プロゲーマーになったんですか?」という巷でよく聞かれる質問には、「ゲームがしたいから勉強しただけ」と答えます。

 

プロゲーマーになろうと思っていると、教授である父親に相談したら、自分がやりたいことをやれと躊躇なく後押しされたとか。

 

最近、いろんなメディアで紹介されることのあるeスポーツ。

 

この人気ぶりは、国内というよりも海外で過熱しているようです。

 

プロゲーマーということでよく名前を耳にするのが梅原大吾さん。

 

彼は、以前NHKのプロフェッショナルで紹介されていました。

 

彼らがゲームの対戦競技にこれから挑もうとしている姿を見てふと何かと重なりました。

 

それは、彼らが自分で使用するアーケードコントローラを抱えている姿が、スノーボードに参戦する姿のようにカッコ良く目に映ったのです。

 

そのドキドさん、格闘ゲームストリートファイターで勝ち続けるために、空手道場に通って本物の練習をされてます。

 

また、動体視力を鍛えるため、周辺視野を広げる特殊な目の訓練をしているという力の入れよう。

 

彼の驚異的な強さの秘密は次のようなものだと言われています。

 

・勝ちに拘り、ゲームシステムやキャラクターの特性を徹底的に分析して、勝ちパターンを素早く導き出せるクレバーさ

 

・周りから「面白くない戦い方」などと言われようが、愚直にやり続ける精神力

 

・自分が強くなるためなら、あらゆる鍛錬にチャレンジするストイックさ

 

しかし途中で梅原大吾という壁にぶつかり、合理性一辺倒からプレイスタイルを変更し、内面を成長させ、さらなる進化を続けているとのことです。

 

彼は本当にゲームが好きなんですね。

 

好きなことだから、体や目の鍛錬もストレスにならない。

 

公務員になるという選択をせず、好きなゲームができるプロゲーマーの道を選んだ。

 

好きなことに真摯に取り組み、高みを目指す姿はとても輝いて見えます。

 

好きということが、物事を成し遂げる大きな原動力になっている、これは紛れもない事実。

 

番組の最後でしたが、アメリカのラスベガスで開催された格闘ゲームイベントevo2018の決勝で敗れ、惜しくも準優勝という結果に。

 

その時にふと思ったことがあります。

 

負けた映像で最後を締めくくるんだ。

 

そういえば、国民栄誉賞を取った将棋の羽生善治さんや囲碁の井山裕太さんの放送回も、挑戦者に敗れたシーンがしっかり流れていました。

 

女性がなりたい体ナンバー1と言われる女優・モデルの中村アンさんにいたっては、主演のドラマでつい頑張りすぎてしまい、オーバーアクションして演出家から苦笑されてしまったイケてないシーンもしっかり放送していたのです。

  

世間から注目される一人の人物にスポットを当てて、その人のルーツや生き方を紹介する情熱大陸。

 

私が惹かれる理由は、良いところだけでなく、隠さずに映し出される失敗したところ、また恥ずかしいところにリアリティを感じられるからだと思います。

 

パーフェトクトな人間なんてどこにもいない。

 

だったら自分も頑張らないと、私はこの番組を見終える度に、そんな気にさせられていたのかもしれません。