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第30号  ビストロ文化洋食店のスーパーアルバイトと出逢う

 

昨日は、会社の先輩から紹介された名古屋のおすすめの洋食屋に行ってきました。

 

千種区にある「ビストロ文化洋食店」のというお店です。

 

私の個人的な事情でもあるのですが、多分ここに来るのは、最初で最後だろうから、お店とともに先輩から紹介された料理を注文しようと思っていました。

 

そこで、ウルトラスーパーアルバイトの女性店員に出逢ったのです。

 

はじめに彼女が注文を聞きにきてくれて、ランチメニューを丁寧に説明してくれました。

 

その後、私は豚バラのビーフシチューを食べに来たんで、お昼時のメニューには無いけれども、注文できませんかと、尋ねたのです。

 

そうすると、彼女は確認するために、すぐに厨房に行き、そして戻って来ました。

 

材料に余裕があり注文出来るとのこと。

 

非常に愛想の良い接客業向きのタイプ。

 

聞いてみると、大学一年の頃からここでアルバイトを続けて、現在四年生。

 

料理を決めているにもかかわらず、私からさらに質問をします。

 

「お客さんが一番注文するのは、どれですか?」

 

「あなたが、一番好きなメニューはどれですか?」

 

きちんと誠実に応えてくれそうな飲食店の店員さんに、私がきまってよくする質問なんです。

 

さらに、深堀するするためにその理由を聞いて、その店員さんの信頼度レベルを確かめてしまう非常にタチの悪い客なんです。(笑)

 

しかし、これにもメニューを指さして丁寧に答えてくれるのです。

 

「私はこの豚バラかポークですね。」

 

「どっちも好きなんです。これと、これと、これ以外は全部アルバイトが休みの時に来て、食べているので知っています。」

 

「私、このお店を愛しているんです!!」

 

この言葉を聞いた瞬間私の脳裏をよぎったことは、次のようなものでした。

 

「でっ、出た~、必殺愛している営業トーク!?」

 

愛しているは、実生活で使用しない言葉のはず!(笑)

 

でもよく考えると、土曜日の昼間に中年男性1人がふらっと入っただけで、そんなに一生懸命やっても彼女にほとんどと言っていいほど見返りはないはず。

 

どうやら本気でこのアルバイト先のお店が良いと思っているみたいです。

 

そして、順に料理が運ばれてきます。

 

ローストポークなどの前菜3種

 

メインのバラ肉のビーフシチュー

 

デザート3種盛

 

はっきり言って、ギリギリで完食でした。

 

このボリューム、女性では全部完食するのは無理。

 

他のブログにもありましたが、1品1品がしっかりした大きさなので、食べ応え十分。

 

豚バラのビーフシチューが運ばれてきた時は、横のテーブル席の女性陣が「何を注文してるんだ!」と言わんばかりに私の方へ視線を送っていたのですから。

 

豚バラはすぐ崩れてしまうくらいのトロトロさ。

 

シチューとはいえ、スープのようなものではありません。

 

味はほどほどビター、お子ちゃまの口には合いません。

 

私には、それがちょうど良いんです。

 

団体様もいて、ほぼ満席に近い状態でしたが、不思議なことに落ち着くんです。

 

テーブルの大きさや室内のインテリアのシックな色使いのせいかもしれません。

 

デザートを食べながら気分よく読書をしていました。

 

ホントにゆったり時間が流れている感覚でした。

 

途中から私の向かいのテーブルに若い女性が一人で食事をされていましたが、料理を食べること以上に、空間を楽しんでいるかのような雰囲気を出されていました。

 

また、デザートのアイスマンゴーが甘くて思わず追加で注文したくなったくらいです。

 

本当にお腹が一杯になってしまい、結局その日の夕食は食べませんでした。

 

そうして帰る時に、そのスーパーアルバイトの女性がお会計をしてくれました。

 

「お料理いかがでしたか?」

 

「大満足です。」

 

「豚バラの下に隠れて潰してあるマッシュポテトが良いんですよね!」

 

これは、きちんと食べていないと言えないこと。

 

単品で2600円ですよ。

 

私の場合、これに3種の前菜、ドリンク、デザートをセットして3700円。

 

彼女は学生で、ここにある大半のメニューを自腹で食べている。

 

思わず、「なぜ、そこまでするの?」と問い掛けました。

 

「私、ここに来られるお客様のほとんどが楽しそうに、美味しそうに食事されているのを見るのが嬉しいんです。」

 

「ここで働いていて良かったと思えるんです。」

 

「!!!、感動した!」と少し小泉純一郎張りの口調で言ったかもしれません。

 

彼女は昔の私とは違い、漫然と生きていない。

 

明らかに何か自分なりの軸を持っているようだ。

 

「でも1年したら辞めるんでしょ?、その後どうするの?」

 

「管理栄養士になって働きます。」

 

そうか、それが飲食店で働くモチベーションと相まっているのか。

 

「もし、名古屋にお寄りになられた時は、名古屋駅のミッドランドにもお店があるので、ぜひお越しくださいね。」

 

最後まで完璧でした。

 

純粋にお店が好きというだけでなく、店の売上アップのために、自分が出来るのは、どんなことかを常に考えて行動している。

 

間違いなく、彼女はこの店の看板娘。

 

やはり、何かしっかりした目標を持っている方は、輝きが違うような気がします。

 

そうした自分なりの軸を持つことが、その人の考え方や行動の至る所に影響しているんですね。

 

自分がアルバイトをしていた学生の頃なんて、どこに勤めようが「ここの〇〇が好き、愛してる」なんて絶対言わなかったと思います。

 

やっぱり女性はしっかりしてるな~と、よくわからない理屈で、納得させようとする自分がそこにいました。