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第26号 日経ビジネスアソシエ糸井重里氏から学ぶ生き方・働き方

 

16年間も続いた日経ビジネスアソシエというビジネス雑誌があるのですが、なんと休刊になり、2018年9月号が最終号となったのです。

 

私自身は、立ち読みをして、自分に興味のある記事が多い時は購入するという程度でした。

 

その最終号で、コピーライターで名を馳せ、「ほぼ日刊イトイ新聞」を起業された糸井重里氏が未来に向けてどう生きるか、どう働くかを語られている記事を見つけました。

 

それが自分の心に響きましたので、今日はその内容と自分が感じたことをご紹介します。

 

初めに、糸井重里と聞いて、皆さんは何を浮かべられますか。

 

コピーライター、エッセイスト、タレント、作詞家、他にもいろんなことを手掛けておられ、マルチな活躍をされている方です。

 

しかし、私が真っ先に思い浮かべることは、任天堂ゲーム「MOTHER」の生みの親ということです。

 

ゲームに興味がない方は、サッパリわからない話かもしれませんが、青年期に私がはまったロールプレイングゲーム(RPG)です。

 

今でこそ、多種多様なゲームがありますが、当時、日本でRPGといえば、ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーでした。

 

どちらも中世ファンタジーをベースとして、王様、勇者、戦士、魔法使い、モンスター、魔王などがいる世界観です。

 

一方、MOTHERは、アメリカにあるという架空の町に住む少年が、怪奇現象を探るため、仲間と共に冒険し、宇宙からの侵略者と対決するというものでした。

 

ここでその魅力について、詳細に私から説明するつもりはありません。

 

ただ、ラスボスと戦っている時に、全然倒せなくて、もう諦めようかと思った時に、「うたう」というコマンドが知らない間に出現していたことに気付いた時の衝撃、雪に覆われたスノーマンという町で流れる透明感・温もりのあるBGM、エンディングが終わり感動してしばらくジーンとしてしまっている自分に気付いた、こんなエピソードのあるゲームでした。


いつにも増して熱く語ってしまいました。

 

知らない人は、全く理解していただけないでしょうが(笑)

 

もちろん発想やセンスはピカイチでも、ゲーム開発については素人の糸井さんが、MOTHERを世に送り出すまで、いろんな人に助けてもらい、たくさんの苦労を重ねておられます。

 

そうした内容を短いマンガにしたホームページを見つけましたので、よろしければ、こちらもご覧ください。

 

糸井さんがゲームを作るきっかけ、名作ができるまで

 

それはさておき、その糸井さんがアソシエの編集長と「未来をどう見るか」について対談をされている内容を話題にしたいと思います。

 

 

このブログでも取り上げることのある人生100年時代やAIの進化などをどう捉えているか、糸井さんは語ります。

 

競争社会という言葉をよく耳にした時代は、「ビジネス」や「スキル」という言葉が重視された。

 

競争で得られるものは「栄誉」と「お金」であるが、それは今相対的に下がってきており、それよりも「生き方」のウエイトが大きくなってきている。

 

今の時代の特徴として、「俺が一番いい意見を出してやる」ではなく、「お前の意見、いいな!」と言えるのがカッコいい。

 

つまり、競争ではなく協業に価値を見出す。

 

「俺が、俺が」ではなく、人のために行動できる人が求められる。

 

 

編集長が、最近、変化に対する人間の耐性が落ちているように思うということに対して、糸井さんはこんなことを言われました。

 

昔は、生きていくのに精一杯で「空が落ちてくるかもしれない、この世は滅亡してしまうかもしれない」なんて、余計なことは考えもしなかった。

 

今、そういう話ばかりする人は、目の前の仕事が面白くないからだろう。

 

 

また、未来予測をすることについて、糸井さんは示唆に富む話をされています。

 

 

何年後、何十年後にはこんなことになっているかもしれない、と未来の問題ばかりを考えていても不安で苦しいだけ。

 

その予測が仮に当たったても、それに一体何の意味があるのか。

 

その”当たり”に関わらないまま生きていたとしても、僕は全然ダメだと思わないし、それほどひどい目に遭うとは思えない。

 

それよりも、「大切な自分の人生をどう生きるか」に焦点を当てるほうが、ずっと大事。

 

世の中から求められる価値あるものを、その時々での”当たり”を見定めていくことこそが大切。

 

 

私はその記事を読んでこんなことを考えました。

 

私の周りでは、社内であっても仕事内容や勤務場所が変わることに極端な不安を覚える方がおられます。

 

もちろんそれぞれ個々に事情が異なるので、十把一絡げにしてしまう訳にはいきませんが、実りのある豊かな人生を目指すのであれば、こうした変化耐性力を高めて行く必要もあるのではないか。

 

そのためには、自分の軸を持ちながら、時代の潮流を敏感に察知できる感性を磨くことが大切なのではないか。

 

「将来、病気になって寝たきりになったらどうしよう」

 

「将来年金はあてにならないから、早いうちから貯金をしなくては」

 

これも間違いとは言えませんが、そんなことで頭を一杯にしている余裕があるのなら、今世の中に求められるニーズと自分の大切にしている価値観を擦り合わせ、世の中に貢献するようなことが、カッコイイ生き方にも思えるのです。

 

皆さんは、どんな生き方がカッコイイと思われますか?