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第25号 パラダイムシフトは自己を何倍にも成長させる力を秘めている

 

前号に続きインターンシップ生のお話です。

 

インターンシップ生に講義をしていた時に、ふと昨年のインターンシップ生の1人の女性のことを思い出しました。

 

その時の彼女の話が、とても学びになりましたので、本日は彼女が部活で経験した興味深いお話を紹介します。

 

思い出しながらなので、一部記憶が曖昧なところもありますが。

 

確か、彼女は中学の時に水泳、高校は長距離陸上をしてきたスポーツ好きな女性でした。

 

また、これまでフルマラソンに何度も出場しているとのことです。

 

中学では、心肺能力を鍛えるために、プールで泳ぐ以外に、基礎トレーニングを嫌という程、繰り返してきたといいます。

 

本気で打ち込んできた部活で、インターハイ等で入賞するなど、身体に負荷を掛けて行う練習が成果や自信に繋がっていたと思われます。

 

その彼女が高校で陸上部に入部してからしばらくして、先輩達の練習に違和感を覚えはじめます。

 

走り高跳び、やり投げ、短距離走、陸上にはいろんな競技がありますが、総じて皆あまり練習をしていない、彼女の目にはそう映ったのでした。

 

練習をしないで、先輩達は何をしているのかというと、陸上競技の選手たちのビデオをよく見ていたようです。

 

陸上は個人競技なのに、何故対戦相手の研究をしているのだろうと、不思議がっていたのです。

 

その様子を眺めていた時に、逆にある先輩から言われた事が、「自分、走り過ぎじゃない?」

 

まさか、こんなことを言われるとは思いもよらなかったようです。

 

そして、軽いショックを受けたまま、ビデオ録画の映像をきちんと見た時、はたと気付いたのでした。

 

それは世界的に超有名なアスリートの映像。

 

先輩方は、こういった映像を観て、脳裏に焼き付け、一流のアスリートに自分も近づいていくんだというイメージトレーニングをして、体を動かしていたようです。

 

これまで、彼女はひたすら筋力アップ、持久力アップのための地道なトレーニングを重ねてきました。

 

だから、こうした鍛錬が成長するための最善の方法であると、疑いもしなかった。

 

一流選手の映像を見たから、それで強くなれる選手なんて絶対いない。

 

しかし、先輩方は総じて好成績だったそう。

 

ここで、誤解の無いように補足しておきますが、身体を動かす練習を疎かにして、イメージトレーニングを重視するという訳ではありません。

 

相乗効果を狙うというイメージです。

 

彼女は、そんなバカな、と大きなショックを受けたそうです。

 

しかし、しばらくして、深く考えます。

 

今までの自分は、こうしなければ強くならない、成長出来ないと、勝手に決めた自分の枠の範囲でしか行動していなかったのではないか。

 

 

皆さんは、パラダイムシフトという言葉をご存知でしょうか。

 

Wikipediaではこのように説明されています。「パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。」

 

 

まさにその時、これまでの思考、価値観を書き換える「パラダイムシフト」が起こったのです。

 

その後、彼女がどれほど成長して、どれだけの成績を残したのかは、知りませんし、聞いてもいません。

 

私が覚えているのは、自然体で落ち着きのある芯の強そうな女性であったことです。

 

ひょっとしたら、このパラダイムシフトが彼女を成長させ、多少の事に動じることのない落ち着いた雰囲気を醸し出しているのでないかとも思いました。

 

翻って自分自身を考えた時、最近であれば自分がブログなんて立ち上げて続けていけるわけがないと、思っていました。

 

しかし、読書やセミナーでいろんな方々の考え方や行動力を目の当りにして、世の中には凄い人がこんなに沢山いるんだと知ってからは、自分の日常生活で学んで感じたことを皆に知ってもらいたい、そんな気持ちが湧きあがってきたのだと思います。

 

勝手に思い込んで自分には無理と思っていたことが、現実に出来るようになった時、ひょっとしたら他の事も出来るのではないかと、脳が錯覚するのかもしれません。

 

小さな成功体験の積み重ねが、大きな成功につながる。

 

「パラダイムシフト」は自己の成長につながる大きな力をもっている、そのように感じたのです。