現在私が勤務している事業所においては、年一回この夏の時期に、近隣の私立大学からインターンシップ生を受け入れています。
今週から数週間受け入れることになっていますが、私の勉強会の授業内容に興味をもった学生の一人がいたことと、上司からの要請もあり、急遽昨日の半日は私のビジネス教養勉強会をインターンシップ生に開催することになりました。
相手は学生です。
日経平均、TOPIX、自己資本比率、ROEという単語を出しても、「?」
行動心理学のハロー効果やピグマリオン効果などの認知バイアスについても、「?」
オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンの効果についても「?」
当たり前です。
これまで受講した社会人である社員でもほとんど知らなかったからです。
ということは、こういう考え方もできるのではないでしょうか。
学生であろうが社会人であろうが、結局ほとんどが知らないのであれば、学生だからという理由で教えないという理屈は通らないと。
毎月開催する勉強会の主な目的は、これからリーダーを目指す人に必要な考え方、知識を伝え、それを受講生なりの解釈のもとに、それぞれの現場で活かして実践できるようにすることです。
ということで、何と強引にも、次のプログラムを簡素化して学生に実施したのです。
1.マネジメント力
リーダーに求められる能力や行動心理学を学び、チームが機能するようにマネジメントの本質を理解する
2.リーダーシップ力
リーダーシップを発揮するために、メンバーに向けた言葉や態度がいかに重要かを理解し、チームアップさせるためのリーダーとしての考え方を理解する
3.コミュニケーション力
良好な人間関係が築けるようにメンバーに寄り添うことや質問の仕方など、人とのかかわり方を理解する
4.経営指標
BS、PL、ROE(自己資本利益率)の意味するところを理解する
これを半日でやってしまうのは、かなり無理があるのではと、心配されるかもしれません。
しかしながら、やっぱりやって良かったと思えた理由があるのです。
それは講義の途中でしたが、次のようなやり取りがあったからでした。
私「皆さんは、これまで人生の中でリーダーの役割をされたことがありましたか?、なければこれまで会ったリーダーを見てどんなことを感じましたか?」
学生A「昔クラスの学級委員をやりました。」
「クラスで催し物を企画・実行するときに、最初はどうしても自分で何でもやってしまおうとしてしまい、仲間に頼るということをしなかったために、溝が出来てしまい、チームをまとめきれなかった。」
「任せるということの重要性を当時はわからなかった。」
学生B「自分は今までリーダーの役割をしたことがありませんでした。」
「高校で剣道をしていたのですが、当時の大将の姿は、この講義でリーダーとしての在り方と重なる部分が多くあったと思います。
思い返せば、特に洞察力に優れ、見る目があったように感じました。」
私はこれを聞いてこんな風に思いました。
たとえ、学生であっても、自分がどこかでリーダーの役割をすること、また自分以外のリーダーの振る舞いを見ることがあるのです。
彼らなりに、人を引っ張て行くということを、する側もしくは、される側を体験しているのです。
程度の差はあれ、する側であった場合、どこかで上手くいかなかった苦い失敗を経験しているのです。
される側も、自分はこんな風にチームをまとめることはできない、自分ならここはもっとこうするなど、思う事がいくつもあるものです。
一筋縄でいかないけれど、リーダーの重要性は体現しているのです。
だからこそ、マネジメント、リーダーシップ、コミュニケーション、これらは、学生であっても、何らかの形で学ぶ機会を提供する責任があるのではと、強く実感した次第です。
次号もインターンシップについての話をしたいと思います。