今週、お盆にまとまった休みを取り、長野へ家族旅行に行ってきました。
「経験賛歌」のニックネームを標榜する私としては、我が子に対しても子供の頃の経験を大切にして成長してほしいという願いがあります。
大人になれば、子供の頃の大半の記憶が失われることになるのでしょうが、インパクトのある出来事は、私の「ジャックと豆の木」のようにいつまでも覚えているものです。
「ジャックと豆の木」は「第19号 何十年もの時を超えて、記憶に刻まれているものとは」を参照して下さい。
そういう思い出を子供にいくつか残してやりたい、また自分自身も人生を振り返った時、あの時は楽しかったなぁと言えるような経験をしたい、そんな思いで計画した旅行でした。
私には子供が高校生、中学生、小学生と3人居ます。
一番下の小学生にとっては、厳しいものになるかもしれませんでしたが、上高地の徳澤園という宿で宿泊するために、大正池から徳澤園までを荷物を背負って、食事休憩を取りながら、約3時間かけて片道約10kmの山道を歩くという計画を私が立てたのです。
あかんだな駐車場 → 大正池 → 田代橋 → 河童橋 → 明神橋 → 徳澤園
なぜ、私がここに行こうと思ったかというと、それはTRiP EDiTORという上高地のすばらしさを紹介しているサイトを見たからです。
TRiP EDiTOR-日本にもこんなところがあったのか!外国人も驚く「上高地」の美しさ
「氷壁の宿・徳澤園」とありますが、「氷壁」は過去実際に起きた「ナイロンザイル切断事件」をもとに、文豪井上靖が書いた山岳長編小説です。
徳澤園は、以前徳澤小屋と呼ばれていた時代があり、その「氷壁」の舞台になっていたのです。
こうして行く直前まで、テンションが上がっていたのでしたが、暑過ぎる夏から一転、今週に入って突然天気が崩れてしまいました。
正直、なんて運が悪いんだと、大変落ち込んでいたのでした。
そして、山を歩く道中で雨が降ってくることもあり、万全のコンディションではありませんでした。
小学生の子供は、予想通りというか、「後何キロ?」「後何時間?」「まだぁ~」「足が痛すぎる」「もう死ぬ」と涙を流して、ギャーギャー言い続けて歩いていました。
しかし、何とか徳澤園に到着することができました。
あれだけ足が痛い。痛いとわめき散らしていたのに、結局チェックインまでの間、徳澤園の周辺で中学生の兄貴と一緒に走り回っていました。
また、そこで前日に用意したおにぎりをみんなで食べている時のことですが、普段小食な小学生の息子がこの時ばかりは、人の分までむしゃむしゃ食べる身勝手ぶりでした。
これまで長時間歩くことをさせていなかったのですが、「素晴らしい自然の中で何キロも自分の力で歩く」という貴重な経験が彼の心に刻まれたと思います。
一方の私も、意義深い経験ができ大変満足でした。
・家族全員で同じ景色を見て一緒に感動を分かち合えたこと
・苦労をすると、その分達成した時に大きな喜びが生まれるということ
・自分が大切にしたいことをこの旅で再確認したこと
「自分が大切にしたいこと」は、「家族と一緒にいろんな経験をすること」です。
これからの家族にとって価値あるものが何なのかを問い続けていくことが自分には必要である。
いろんな情報を取り入れて取り込む柔軟さと冒険心を持ち、これからも学び続けたい、そんな気持ちになったのです。
それと、徳澤園で用意された夕食と朝食が素晴らしく、大大満足でした。
本当に、まだ体が丈夫な間に、何年、何十年後かに再び訪れたいと思わせる所でした。
ちなみに長野には2泊3日で旅行に行きましたので、次号も引き続きその内容を紹介させていただきます。