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第12号 自分は職場の遅れている時計を見て直すことができるか

 

突然ですが、皆さんの仕事場の玄関にある傘立ては現在どのような状態でしょうか?

 

整然としてますか?

 

それとも晴れているのに、使えそうもないボロボロの傘も一緒に交じって、見苦しくなっていませんか?

 

以前、私の勤務先では、随分前から玄関の傘立てには、破れたもの、折れたものなどが混ざり合った状態で、雨が降った時には、溢れんばかりの勢いとなっていました。

 

前からこれが気になっていた社員もいましたし、全く無関心の社員もいました。

 

恥ずかしながら、社外の方から注意を受けたことで、このままではいけないと判断し、関係者に告知した上で、不要な傘は廃棄し、来客用と従業員用をきちんと区別したため、玄関の印象もかなり良くなりました。

 

実は、こうした傘立ての状況が、企業が成長できるかどうかのひとつの指標となっているということを、ご存知でしょうか?

 

昨年だったと思いますが、資産運用会社であるレオスキャピタルワークス代表の藤野英人さんが、テレビ東京系列のカンブリア宮殿に出られていた時に、成長が見込めない企業の特徴についてお話しされてました。

 

ファンドマネージャーである藤野さんは、今後成長する思われる(株価が上昇すると見込まれる)企業の目利きが仕事です。

 

藤野さんの特徴は、財務データだけでなく、実際に足を使って、本社や工場の実際の現場に訪れるとともに、トップと会い、理念、哲学、熱意を感じ取って、総合的に投資の判断をしているところにあります。

 

成長の見込めない企業の特徴として、次のようなものを挙げておられました。

 

①外は晴れているのに、傘立てが満杯状態

     

②社内をスリッパで闊歩する人がいる

 

③会った時に社長が自叙伝を渡す

 

①は、つまり「片づける人がいない」「会社で起きていることを自分ごととして考えられていない人が多い」と判断できる。

 

さらに言えば、持ち主がルーズであるというだけでなく、細かいところも注意する上司や管理職がいないことを示しており、さまざまな面で教育が行き届いていない会社だと想像できる。

 

②は、会社も自宅も同じという、公私混同してしまう文化がある会社と判断できる。

 

③は、つまり過去の実績・栄光にこだわり、これからどうしていくのかをきちんと語れない経営者と判断できる。

 

こういったものでした。

 

また、これとは別のところで、藤野さんが語っておられた話を挙げておくと。

 

5分以上遅れている時計が職場にあるということは、その時計を見ている社員が気付いていないか、気付いても直そうとしないかの、どちらか。

 

気づいていない → 時間を守れない → 何事にもルーズ

 

気付いている → 自ら主体的に動こうとする人がいない

 

こうしたことは、自分は関係ないという当事者意識の欠如にあるといいます。

 

こうして、ブログを書き綴っていると、職場に5分ぐらい遅れている時計があったことを思い出しました。

 

藤野さんの言われることに深く納得した今、気付いている自分がやることは、明日、遅れている時計の時刻を直すこと、これしかない、そう思ったのです。